「まさか入るとは。頭が真っ白になった」今平周吾が18番奇跡の20メートルバーディーでメジャー初V 歴代4位の7季連続優勝


今平は歓喜のウォーターシャワーに笑顔を見せる(カメラ・今成 良輔)

今平は歓喜のウォーターシャワーに笑顔を見せる(カメラ・今成 良輔)

◆男子プロゴルフツアー 今季メジャー第3戦 日本オープン 最終日(13日、埼玉・東京GC=7251ヤード、パー70)

 1打差の3位から出た2018、19年賞金王の今平周吾(32)=ロピア=が5バーディー、3ボギーの最少68で回り、通算4アンダーの逆転優勝。昨年11月以来となる節目の通算10勝目を、地元・埼玉県開催の国内最高峰のメジャー大会で飾った。最終18番で20メートルの劇的バーディーパットを沈め、珍しく感情をあらわにし、スタンドにボールを投げ入れた。メジャー初Vで、7季連続勝利は継続中の選手では最長記録となった。70の木下稜介(33)=ハートランド=が1打差2位。

 首位に並んで迎えた最終18番。今平はバーディーパットを前に冷静だった。「パーでプレーオフに持っていければ」。強く押し出された白球は、20メートルのフック&スライスのスネークラインを描き、カップに吸い込まれた。「まさか入るとは。頭が真っ白になった」。大歓声がわき上がると、普段穏やかな男が、珍しく感情を抑えきれずカップからボールを拾い上げ、観客席へと投げ入れた。

 「皆さん、ボールを投げたりするので、ちょっと投げてみた」と恥ずかしそうに笑った。最終組の木下の18番第3打が外れると、優勝が決定した。終わってみればアンダーパーが2人だけの戦い。4日間のフェアウェーキープ率は82%(4位)をマークし、ラフが20センチと深い難コースを正確性で攻略した。この日、ドライバーを握ったのは13番の1回だけだった。

 埼玉・入間市出身で実家から狭山市のコースは車で15分という近さだ。「地元での開催、日本オープンという大きなタイトルを取れてうれしさが2つ重なった」と喜んだ。今季初優勝で17年のツアー初Vから7季連続優勝に伸ばし、継続中では最長。「6季連続で優勝していたので、切らしたくなかった」と胸を張った。

 賞金ランクは前週の13位から4位に浮上し、24日開幕の米ツアー・ZOZOチャンピオンシップ(千葉)の出場権も得た。賞金トップの平田憲聖(23)には約3012万円差に迫り、3度目の賞金王も狙える位置に。「このタイトルは今後の自信になる。賞金王になりたい」と、5年ぶりの頂点返り咲きも見据えた。(岩原 正幸)

 ◇今平の初Vからの7シーズン連続優勝 17年の初優勝から継続中で、池田勇太、片山晋呉(ともに11季連続)、尾崎直道(8季連続)に次いで歴代4位。継続中の選手としては最も長い(85年以降)。初優勝からでなければ、尾崎将司の15季連続が最長連続優勝。

 〇…今平とコンビを組んで8年目、56歳の柏木一了(かずのり)キャディーは、18番の劇的バーディーを「打つ前から入りそうなオーラがあった。途中でラインに乗って『入れ』と声が出た」と興奮気味に振り返った。達成した7季連続Vを達成に「お互い、その話はよくしていた。途絶えるとまた一からやり直し。その時はもうオジサンいくつよ!?」と笑った。「次は日本シリーズ(JTカップ)を勝ってほしい」とメジャー連勝を期待した。

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