前週まで賞金ランク2位で、4位から出た金谷拓実(26)=Yogibo=が1イーグル、4バーディー、3ボギーの67で回り、通算9アンダーの3位で終え、賞金ランク首位だった平田憲聖(24)=エレコム=を逆転して初の賞金王に輝いた。
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金谷を東北福祉大時代からトレーナーとして支える大坂武史氏(56)は、全18ホールについて回り、金谷の雄姿に目を細めた。昨季は賞金ランク3位で手が届かなかっただけに「本気で取りにいっていた。去年悔しい思いをしたので、今年は取ってほしいなと思っていた」と笑顔で感慨に浸った。
心技体を整えたことが、初タイトルに結びついた。これまでは食事面でストレスを与えないために「口酸っぱくは言っていなかった」という。だが、夏場に疲労などが原因で調子を落とした時期に、金谷の意識に変化が見られたという。「野菜も自分から取るようになりました」。朝食時も「オレンジジュースの方が(必要な栄養素を取るには)いい」と助言し、2人で好物のコーヒーから変えた。持ち前の強固なメンタル、技術に加え、体の強さも備えた。
大学1年時から指導してから8年。「優しいけど頑固」と金谷の素顔を明かす。「練習で納得しなければ帰らない。雨が降ってもやる。彼の才能があればまだまだいける」と大坂氏。世界を舞台に飛躍する金谷を思い描いた。(宮下 京香)