◆米男子プロゴルフツアー ザ・セントリー 最終日(5日、米ハワイ州カパルア・プランテーションC=7596ヤード、パー73)
松山英樹(32)=LEXUS=が昨年8月のフェデックス・セントジュード選手権以来の勝利となるツアー11勝目を挙げた。黒宮幹仁コーチ(33)、早藤将太キャディー(31)、須崎雄矢トレーナー(32)ら、チーム松山で勝ち取った開幕戦での今季1勝だった。黒宮コーチは開幕前の取り組みを明かし、年間4勝を期待した。
日本のエース松山が進化を見せつけ、最高峰のツアー記録を塗り替える圧勝劇で今季をスタートした。指導する黒宮コーチは「パット、寄せ、ショットまで全部そろってきた。(修正で)やることが少なくなり、集中できている」と実感を込める。
昨年12月の頭だった。2人のやりとりのなかで、アライメント(ターゲットに対する構え)の見直しから、もう一回スイングをつくってみようという話になった。12月27日の現地入り後、微調整を続け、アライメント、スイング、フィーリングスイングをすり合わせてきた。「ただ勝っただけじゃなくて、納得いくアライメントやスイングのなかで、こうやってできたことが一番大きいかなと思う」と振り返った。
課題と言われることが多いグリーン上でのパフォーマンスがさえた。4日間通してパッティングが入った。グリーンを狙うショットは相変わらず世界最高クラスだけに、パットがかみ合えばまさに鬼に金棒。「アイアンがめちゃくちゃうまい人だからパターにフォーカスされがちだけど、そもそも下手じゃないから」と黒宮コーチは声を大にした。
好調を維持できれば、右手のけがで今大会を欠場したパリ五輪金メダリスト、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(28)=米国=の打倒が視野に入る。松山のシーズン最多勝利は2016―17年シーズンの3勝だ。黒宮コーチは「年間4勝と、(初の)2週連続優勝」と期待した。