岩井ツインズ妹・千怜 40位から急浮上8位「明愛に追いつけるように」首位の姉と最終日最終組目指す


岩井千怜

岩井千怜

◆米女子プロゴルフツアー ホンダLPGA 第2日(21日、タイ・サイアムCC=6632ヤード、パー72)

 40位から出た岩井千怜(ちさと、22)=ホンダ=が8バーディー、1ボギーの65をマークし、通算7アンダーの8位に急浮上した。双子の姉・明愛(あきえ、22)=ホンダ=は67で回り、通算15アンダーで単独首位をキープした。ともに予選会を突破し、今季から米ツアーに本格参戦する岩井ツインズ。世界最高峰の舞台でも切磋琢磨(せっさたくま)して、V争いを繰り広げる。

 2日目は、岩井ツインズの妹が見せ場をつくった。千怜は8つのバーディーを奪い、8位までジャンプアップ。首位を守る姉・明愛の背中を追って、40位から巻き返した。「落ち着いてラウンドできた。大事なパーパットもバーディーパットも入った。ショットも良かった」と満足げだった。前週の欧州女子ツアー・サウジレディース国際は4位。中東から姉妹で6000キロ近く移動してきたタイでも、状態の良さは変わらない。

 10番からスタートとなったこの日。13番から3連続バーディーで波に乗ると、後半に勢いが加速した。1、2番を連続で伸ばし、4番でもバーディー奪取。5番はグリーンの外から3パットでボギーをたたいたが、流れは途切れなかった。7番パー5は3打目をピン真横にピタリ。パー3の8番では第1打でボールをキックさせ、ピン右6メートルに。これをねじ込み、笑みを浮かべた。

 お互いを高め合い、励まし合ってきた。昨年12月、姉妹で米ツアー最終予選会に挑戦し、千怜は2位、明愛は5位で通過。1日の順延を含め、6日間90ホールの過酷な日程を戦い抜き「一緒に出場権を取れたことがうれしい」と声をそろえた。予選会は最初の2日間、異なるコースでプレー。千怜は「心配もあったけど、一人で戦っていないのが大きかった。別のコースで明ちゃん(明愛)が頑張ってるから、私も頑張ろうという気持ちでやっていた」。双子での挑戦だからこそ、精神的なアドバンテージは大きいと強調した。

 首位の姉とは8打差あるが、22日の結果次第では、2人の最終日最終組の可能性はある。日本ツアーでは23年に一度だけ経験した。国内では、優勝争いをしてきたライバル同士でもある。米ツアーでの競演へ、第1ラウンド終了後には千怜が「明愛に追いつけるように」と闘志を燃やした。連日の追い上げで主役の座を狙う。

 ○…岩井明愛は2日連続のボギーなしで首位をキープした。「パッティングのタッチが合っていた。いい緊張感の中で回れた」と振り返った。15番は2打目のアプローチでカップを狙い、5メートルオーバーしたが、下りのスライスラインを読み切ってスコアを伸ばした。グリーンを外したホールもアプローチとパターでパーをセーブ。2打リードして迎える週末は「皆さんに楽しんでもらえるように、自分のゴルフをできたら」と攻めのプレーで盛り上げる。

 ◆岩井姉妹の優勝争い 23年5月のRKB×三井松島レディスでは、国内男女ツアーを通じて史上初の双子によるプレーオフが実現。山下美夢有(みゆう)を含めた3人での激闘を、妹・千怜が制した。同年6月のニチレイレディスではツアー史上初の姉妹最終日最終組に。姉・明愛は「夢がかなった」と喜んだ。昨年10月、2人の地元・埼玉で開催された樋口久子・三菱電機レディスは千怜、明愛のワンツーフィニッシュ。同組でのプレーはかなわなかったが、ともに18番で観客をあおるポーズを見せた。

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