
6日からコースで練習した松山英樹
【オーガスタ(米ジョージア州)6日=高木恵】男子ゴルフのメジャー初戦、マスターズは10日にジョージア州オーガスタ・ナショナルGCで開幕する。2021年大会覇者の松山英樹(33)=LEXUS=が、コース入り。開幕4日前から精力的に18ホールを回り、パッティング練習には約2時間を費やした。4年ぶり2度目の大会制覇へ調整に入った松山を担当の高木恵記者が「見た」。
日曜日恒例のジュニアゴルファーによる「ドライブ、チップ&パット大会」が盛り上がりを見せる中、21年マスターズ王者が午前10時にコースに姿を見せた。パトロン(観客)の視線を浴びながら、松山が向かった先は練習グリーン。まず約1時間、球を転がした。途中、グリーンジャケットを着た男性が歩み寄った。オーガスタナショナルGCのフレッド・リドリー会長だった。声をかけられ、脱帽して談笑。握手を交わす姿に、さすがの注目度の高さがうかがえた。
前週のテキサス・オープン(OP)で予選落ちに終わった翌5日、オーガスタにすぐさま移動した。当初の予定より増えたマスターズへの準備期間を、無駄にはしない。7日は現地が悪天候予報だったことも当然、頭にあった。調整への影響が予想されることも見越して、この日は7時間半をコースで費やした。21年にテキサスOPからの2連戦の日程を組むようにしてから、日曜日のオーガスタで本格的に練習ラウンドするのは初めて。11時25分に1番からスタートすると、5時間をかけて18ホールをラウンド。ホールアウトするとすぐに、再び1時間にわたってパッティング練習に時間を割いた。
マスターズ前哨戦だったテキサスOP後には「そんなに悪いゴルフをしているのかなという疑問はある。めちゃくちゃ悪いパットをしているわけじゃないのに、なかなかカップインしてくれない」と明かしていた。この日は約2時間を練習グリーン上で過ごした。スティックを脇に挟み、ストローク中の体の軸を確認するような動きを繰り返し、黒宮幹仁コーチ(33)が見守る中、球を転がし続けた。
今季は開幕戦のザ・セントリーをツアー記録の通算35アンダーで制し、世界ランク6位でオーガスタに戻ってきた。初めて足を踏み入れたのはアマチュアだった11年。出場は今年で14回を数え、青木功に並ぶ日本勢歴代2位まで積み上げた。昨年大会は初日に68位と出遅れ、38位。「優勝できなかった以外何もない」と悔しさをあらわにする姿に、松山が背負う覚悟を見た。12年連続のティーオフまで4日。最善を求め、懸命の調整を続けていく。
◆松山の近年のマスターズ
▽21年(優勝) 10度目の出場で快挙を達成。4打差単独首位で最終日を迎え、73と落としたが逃げ切りV。1932年から日本男子の悲願だったメジャー初Vと、アジア人初の大会制覇を成し遂げ、目には涙が浮かんだ。
▽22年(14位) 3月に首を痛め、不安を残し会場入り。第2ラウンドに69をマークし、2位で週末に進んだ。史上4人目連覇を視野に入れたが、伸ばせずに終わった。
▽23年(16位) 連日の日没サスペンデッドの影響で、最終日に25ホールをプレー。首や手首に痛みを抱える中、上がり5ホールで3ボギーをたたき、75と落とした。
▽24年(38位) 2月に優勝し、優勝予想では4位に選ばれた。3年ぶりVの期待がかかったが、カットラインギリギリの50位で予選通過。残りの2日間でも巻き返せず、「苦しいゴルフだった」と話した。