
前半9ホールを回った松山英樹
【オーガスタ(米ジョージア州)8日=高木恵】男子ゴルフのメジャー初戦、マスターズは10日にオーガスタ・ナショナルGC(7555ヤード、パー72)で開幕する。4年ぶり2度目の優勝を目指す松山英樹(33)=LEXUS=は、1番からのアウト9ホールを回って調整。21年に優勝して以来日本勢唯一の出場となるが「いい1週間にしたい」と意気込んだ。予選ラウンド(R)はブライソン・デシャンボー(米国)、シェーン・ローリー(アイルランド)と同組で、メジャー王者3人の豪華な組み合わせとなった。
打ち上げの9番の第2打は美しい弧を描き、ピンに向かった。30センチにつけるスーパーショットで、松山が試合さながらの大歓声を呼んだ。「いい1週間にしたい。そのためには、いい準備をしないといけない。残りの時間を、しっかりと有意義に過ごしたい」。前週まで2戦連続予選落ちの不安を払拭(ふっしょく)するようなラウンドを終えると、練習場へ。カギになるパッティングを中心に、2時間を費やした。
前週から投入した新ドライバー「スリクソンZXi LS」を引き続き使用した。ホールを重ねるごとに、ショットの精度は増していった。さらにはコントロール性を重視し、オーガスタ入り後、2度のラウンドはともに、5ウッドを抜いて3アイアンを入れた。この日は4番パー3の第1打で使用し、グリーンを捉えた。
昨年9月にジョージア州を直撃したハリケーンの影響で、コースは多くの巨木を失った。「1番もそうだけど、これだけ木がなくなると、今まで目印にしていた場所がなくなったりもしている。打ちやすい部分と打ちにくい部分、両方ある」と警戒。初日に向け、「試合でもっとギャラリーが入った時にどういう雰囲気になるのか。その場その場で、確かめないといけない」と気を引き締めた。
4年ぶりに日本勢は松山ただ一人。過去4度の日本勢唯一の出場時は、プロとして初めて迎えた14年こそ左手首痛もあり予選落ちだったが15年は5位、16年は7位、21年は優勝と日本を背負い好成績を残してきた。現状のゴルフについて「なかなか感覚とつながらないので難しい部分は感じているけど、ここ(オーガスタ)に入ってからも、そんなに悪いゴルフはしていない」と一定の手応えは得ている。
予選Rは20、24年の全米オープンを制したデシャンボーと、19年全英オープン勝者のローリーのメジャー覇者3人で回る。昨年は初日の出遅れが響き38位だった。この1年の間に今季開幕戦を含む2勝を挙げ、パリ五輪では銅メダル。世界ランクを6位に上げ、オーガスタに帰ってきた。「試合が始まれば、気合が入ると思う」。14度目のマスターズで、再びグリーンジャケットをまとう。
◆松山に聞く
―例年より少し早いオーガスタ入りになった。調整や、ゴルフの調子はどうか。
「まあ(前週)予選を落ちているので、いいとは言えないですよね」
―プレーヤーズ選手権以降、パットの足のスタンス幅を変えているように見える。
「それは変えることも、多々あるので。特別なことはしていないかなって思います」
―予選ラウンドはデシャンボーとローリーと同組。かなりの数の観客がつきそうだが。
「今聞いたばっかりなので、はい。まあ、誰でもいいですよ(笑)」
―昨日、雨が降り、グリーンの状況は例年より柔らかくなっているか。
「そうですかね。今日の段階で判断するのは良くないと思うので」
◆松山に聞く
―例年より少し早いオーガスタ入りになった。調整や、ゴルフの調子はどうか。
「まあ(前週)予選を落ちているので、いいとは言えないですよね」
―プレーヤーズ選手権以降、パットの足のスタンス幅を変えているように見える。
「それは変えることも、多々あるので。特別なことはしていないかなって思います」
―予選ラウンドはデシャンボーとローリーと同組。かなりの数の観客がつきそうだが。
「今聞いたばっかりなので、はい。まあ、誰でもいいですよ(笑)」
―昨日、雨が降り、グリーンの状況は例年より柔らかくなっているか。
「そうですかね。今日の段階で判断するのは良くないと思うので」
【マキロイ】 史上6人目のキャリアグランドスラムを狙う。4大メジャーは11年全米オープン、14年全英、12、14年全米プロを制したが、マスターズは22年の2位が最高と唯一勝てていない。期待と重圧は大きいが「自分の仕事に集中するだけ」。米ツアー28勝を誇る35歳は今季、3月のプレーヤーズ選手権など2勝と好調。前々週は肘に痛みを抱えていたが「肘は大丈夫。調子は良い」と快挙達成を見据えた。
【シェフラー】 世界ランク1位の28歳は2年連続3度目の優勝を狙う。ニクラウス、ファルド、ウッズに続く史上4人目の大会連覇へ「準備に重点を置き、良い姿勢でショットに正しくアプローチする。それが私の成功の定義」と強調した。昨年末にクリスマスの夕食準備中に右手を負傷し、1月末にツアー復帰。今季はまだ優勝がないが、6日からオーガスタ・ナショナルGCで練習し「準備は万端だ」と自信は揺るぎない。
〇…大会2日前の8日夜には、歴代優勝者が集う恒例の夕食会「チャンピオンズディナー」が行われた。5度優勝のタイガー・ウッズ(米国)は左アキレス腱(けん)断裂で欠場のため不在だったが、21年覇者・松山らグリーンジャケットを着た32人が出席した。前年覇者がメニューを考案するのが恒例。22年には松山が選んだすしや焼き鳥など和食が提供されたが、今回はシェフラーが決めたチーズバーガーやラビオリ(パスタ)などが振る舞われた。