
11番ティーショットを放つ山城奈々。通算5アンダー3位タイ(カメラ・山崎 賢人)
◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第3日(10日、茨城GC東C=6675ヤード、パー72、報知新聞社後援)
4打差11位から出た山城奈々(イチケン)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算5アンダーの3位に浮上した。プロ12年目での初優勝へ、5打差を追い、最終日へ向かう。「全体的にいい感じで、自分の思い通りのプレーができた。ドライバーショットが安定していることが、スコアにつながっている」と好調の要因を語った。
1番パー5でピン下4メートルを沈めてバーディー発進。3番はボギーをたたいたが、5、7番を伸ばし、迎えた9番パー5。右ラフからピンまで125ヤードの第3打。9アイアンで放った一打はピン奥30センチにピタリとつき、“お先”のバーディー。「完璧すぎた」と会心の一打に満面の笑みを見せた。後半はグリーンに乗せながら、惜しいパットが続きスコアを伸ばせず。それでも、前半の貯金を生かし、好位置で最終日へ向かう。
14年にプロ転向し、今年が12年目のシーズン。シードの獲得経験もない31歳がメジャーで躍動している。数年前にはドライバーショットが左右に散り、一時は握れないほどスランプに陥った。ヘッドもシャフトも様々なものを試し、今のクラブは「フィーリングよく打てる」と今オフから感触が良くなった。先輩プロからの「自分の振りたいように振った方が良い」というアドバイスも生かし、伸び伸びスイングしているという。
10歳の頃、同じ沖縄出身の宮里藍さんに憧れ、ゴルフを始めた。昨年10月、下部ツアー「サロンパスカップ」の前夜祭で初めて対面。前週の試合で優勝していた山城に「おめでとう」と声をかけてもらったという。今大会も藍さんは会場に訪れているが、まだ会えていない。「優勝して(表彰式で)藍さんに会うために頑張りたい」と5打差逆転への思いを募らせた。
今大会が初優勝なら、日本人では19年の渋野日向子以来2人目。海外勢でも田仁智(韓国、15年)、レキシー・トンプソン(米国、16年)らと肩を並べる。昨年は7打差逆転が生まれた大会。逆転での初Vへ、自身初の最終日最終組に臨む。