24歳・稲垣那奈子がツアー初の早大卒V プロ2年目の「ミレニアム世代」


番、グリーン上でラインを読む稲垣那奈子(カメラ・渡辺 了文)

番、グリーン上でラインを読む稲垣那奈子(カメラ・渡辺 了文)

◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 最終日(1日、徳島・グランディ鳴門GC36=6585ヤード、パー72)

 トップから出たプロ2年目の稲垣那奈子(三菱電機)がツアー14戦目で初優勝を飾った。2バーディー、3ボギーの73で回り、通算7アンダー。2位の神谷そら(郵船ロジスティクス)、川岸史果(加賀電子)と1打差で逃げ切った。

 2023年3月に早大スポーツ科学部を卒業した24歳。日本女子プロゴルフ協会によると、早大卒業生のレギュラーツアー優勝は初めて。ツアーでの自己最高位は14位でトップ10入りさえなかった稲垣が、今季3人目の初優勝となった。海外メジャーの全米女子オープンと同週で、有力選手が不在の今大会で、チャンスをつかみとった。

「意識してしまうと思うけど、自分のゴルフをするだけ」と話して迎えた初の最終日最終組。12番パー4でピン右5~6メートルのカラーからのバーディートライを沈め、単独首位に立つと、そのまま逃げ切った。

 古江彩佳、西村優菜、吉田優利、安田祐香、阿部未悠らと同じ2000年度生まれの「ミレニアム世代」だ。高校3年時にプロテストを受験する選手がほとんどのなか、早大のスポーツ科学部に進学した。中学時代に腰椎分離症に見舞われ、ヘルニア寸前まで深刻化した。「未熟だった。勉強してからプロになりたいと思った。自分の体をコンディショニングできる力をつけたかった」。卒業論文のテーマは「ゴルファーと腰痛の関連性」。4年間の学びはプロ生活に生きている。

 オフにはプロ野球の中日・涌井秀章投手、巨人・横川凱投手らと自主トレを行った。「涌井さんは自分に妥協しないし、常に追い込む」とアスリートのあるべき姿を学んだ。1年目は「こんなに走る人たちいるんだ」と衝撃を受けた。長い距離に加え、100メートル走を10本、20本と繰り返す。最初は立っていられないほどだったが、年を追うごとに下半身強化を実感。「ちょっとのことだと、へこたれなくなった」とメンタルも大きく成長して迎えた今季、悲願を達成した。

 ◆稲垣 那奈子(いながき・ななこ) 2000年8月24日、埼玉・川口市生まれ。24歳。早大卒。10歳のときに両親の影響でゴルフを始める。2023年11月のプロテストに2度目の挑戦で合格。箱根駅伝で活躍した井川龍人と同じ授業を受けたことがあり「テレビで応援していた」。QTランキング47位の資格で今季出場。趣味は音楽鑑賞とドライブ。特技はスキーと水泳。164センチ。B型。

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