
ツアー初優勝を果たし万歳する入谷響(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー ニチレイレディス最終日(22日、千葉・袖ケ浦CC新袖C=6594ヤード、パー72)
単独首位で出た19歳ルーキーの入谷響(加賀電子)が4バーディー、4ボギーの72で回り、通算12アンダーで初優勝した。実力者ぞろいの今季ルーキーで一番乗りの優勝となった。
愛知・豊川市出身の入谷は、小5から中嶋常幸主宰の「トミーアカデミー」に入門。昨年のプロテストに2度目の挑戦で合格した。今季の平均飛距離258・21ヤードは全体2位。ツアー屈指の飛ばし屋が初優勝をつかんだ。
◆入谷響・一問一答
―初優勝した心境は
「優勝もそうだけど、今日1日終わった…というホッとした気持ち。その後、同期のみんなに会ってハグしてもらい、ようやく優勝の実感が沸いた」
―想像と違ったか
「前半は焦ってしまって、そんな予定ではなかったので、後半終わってどっと疲れがきた」
―優勝争いのプレッシャーは
「目標スコアは設定していたけど、同じ組の選手がバーディーを取ってきてプレッシャーを感じた。途中で1回ボードを見てしまって、藤田さいきさんが9アンダーまで上がってきていて、自分はボギーとか打っていて、追いつかれそうで少し焦りはあった」
―優勝を左右した、キーとなったホールは
「10番の2打目で林から出して、3打目であの位置(ピンそば1メートル)に乗せてバーディーを取れた。11番もピンチでのパーだった。右手前のバンカーの目玉で、奥2・5mくらいいったけど、しっかり沈められた。その2ホールで流れも変わり、焦りが消えた」
―緊張の度合いは
「スタートしてから、すぐに喉が乾いた。手が震えたりはなかったけど、ショットに乱れが出た。振り返ったら、とんでもないゴルフをしてたなと思う」
―最終ラウンドの自己採点は
「前半は50点以下。後半はよく耐えたので、80点をくらいあげたい。トータルでスコアだけ見たらいいわけではないので、60点くらいか�\x81\xAA」
1度目の受験だった23年プロテストで不合格だった
「当時は自分に有利なコースで、あそこで通りたいという気持ちもあった。1ホールでも1打少なければ通っていたので、本当に悔しかった。1打の重みを一番感じた試合。それがあったから、2度目のプロテストは1打の大切さを感じながらプレーできた」
―当時、号泣して悔しがっていた
「最終日は最後の18番パー5で2オンを狙って、難しくないアプローチを緊張と焦りで失敗して、バーディーパットが入らず、1打差で落ちた。これからどうすればいいんだろうと、頭にモヤがかかっていた感じ。次の日、ゴルフのことも考えたくないくらいだった。そのプロテストの最終日に中嶋プロに電話したら、『悔しがったり、イライラするのはこの日だけにして、切り替えてやってくしかない。頑張れよ』と言ってもらえた。次の日からは気持ちを切り替えてやれた」
―中嶋はどんな存在か
「聞けば、惜しみなく何でも答えてくれるプロは本当に大好きです。小学6年生から大学1年生まで(トミーアカデミーに)に在籍したけど、ここまでずっと長く一緒にやってくれた、アドバイスしてくれたのは本当にありがたい」
―昨夜は中嶋からメッセージは
「最初、LINEで来てたけど見られなくて。電話がきて「LINE送ったから見てね」みたいな。見てみたら、『明日はなるようにしかならないから、思い切ってやってこい』と書いてあった。自分のやれることを精いっぱいやって、思い切ってやってきますと送り返した」
―次の目標は
「メジャーで優勝したい。これから多く優勝を目指して頑張る」
―日本ツアーで何勝したいか
「デカめに言うと、5勝したい」
―米ツアー挑戦への思いは
「できれば早くて来年には行きたいけど、日本でも活躍したいので、2年こっちでやって行くのもいいかなと、中嶋プロともそう話してる」
―米ツアーで目標にしている選手は
「リディア・コ選手だったり…。あと、小学生の時にTOTO(ジャパンクラシック)でヘンダーソン選手にサインボールもらった。私もこういう選手になりたいと思った。ボールは自宅にしっかりケースの中に保管してる」
―最終的な目標は
「アメリカで女王(世界ランキング1位)になることを自分の最大の目標にしてキャリアを終えたい」