米国から“逆輸入” イケメン山脇健斗が4差3位「いいゴルフができた」 父はテーラーメード元社長


3位に浮上した山脇健斗(左)と父・康一さん(カメラ・星野 浩司)

3位に浮上した山脇健斗(左)と父・康一さん(カメラ・星野 浩司)

◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 第2日(27日、栃木・西那須野CC=6956ヤード、パー71)

 悪天候で順延となっていた第1ラウンド(R)の残りと第2Rが行われ、午後7時16分に日没サスペンデットとなり、27人が競技を完了できなかった。順位は暫定。山脇健斗(フリー)が第2Rで6バーディー、2ボギーの67と伸ばし、通算10アンダーで首位と4打差の3位に浮上した。米カルフォルニア州出身の23歳がツアー初優勝を狙う。

 米国から“逆輸入”の山脇が3位に浮上した。

 午前6時半に3番から再開した第1Rを65で7位とし、第2Rは前半の2番で1メートルに寄せるなど、12番までに6バーディーと量産。キャディーを務めた父・康一さん(64)のサポートを受け、この日計25ホールで7つ伸ばした。「ずっとチャンスだった。いいゴルフができた」。今季2度目の決勝R進出に、甘いマスクの笑顔がはじけた。

 両親は日本人だが、米サンディエゴ生まれ。かつてゴルフ用具メーカー・テーラーメードの日本支社社長を務めた父の影響で、3歳でゴルフを始めた。高校卒業後、コリン・モリカワらを輩出してきたカリフォルニア大学バークレー校へ進学。競技に集中するため中退してプロ転向し、カナダツアーを経て、23年から日本ツアーに参戦した異色のキャリアだ。

 日本では千葉県の祖父宅を拠点にしながら、昨年から本格参戦。だが、「アメリカは車社会だけど、日本は電車や飛行機に乗ったり、人との接触が多い」と慣れない環境で体調不良に悩まされた。何度も高熱を出し、春先には40度以上が6日間続いた。体重も一時は8キロ減り「体幹も弱くなり、足の筋力も落ちて、球もブレた」と振り返る。徐々に日本の環境に慣れ、今年から千葉で独り暮らしする新生活を始めた。

 米女子のジュダヌガーン(タイ)、米男子ツアー3勝のブレンダン・スティールらを指導するクリス・メイソンコーチに師事。昨オフには、自身とトップ選手との違いを問うと、練習方法について「(ピンまで残り)160ヤードから2つのクラブで打てるようになったり、練習のクオリティーが全然違う」と言われた」。今では「PWのフック、9アイアンの普通、8アイアンの10時から2時のスイング。打ち分けられるようになった。自信につながっている」とかみしめた。

 兄・翔平さん(28)は米国で住友ゴム工業「スリクソン」の用具担当として勤務している。今季開幕戦・東建ホームメイト後にショットが不調だったドライバーを変更する際、「兄に10回以上は電話で相談した。『こういうヘッドを(日本の担当者に)作ってもらって』と言われた」。アドバイスを得て新調したクラブを握り、今大会の平均飛距離315・06ヤード、パーオン率88・89%はともに全体3位を誇る。

 今月30日が24歳の誕生日。今大会が23歳ラスト試合となる。「良い誕生日になればと思う。優勝もしたいし、早くシードを取りたい」と目を輝かせた。(星野 浩司)

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