河本結、逆転Vにつなげた「人生初」のリフレッシュ…98年生まれの黄金世代は通算53勝


通算9アンダーで優勝した河本(カメラ・今西 淳)

通算9アンダーで優勝した河本(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー 北海道meijiカップ 最終日(10日、北海道・札幌国際CC島松C=6642ヤード、パー72)

 プロ8年目の河本結(26)=リコー=が1年ぶり3勝目を挙げた。首位と4打差の8位から出て1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーで逆転V。3月に亡くなった母方の祖父にささげる1勝を飾った。優勝賞金1620万円を獲得。1998年度生まれの黄金世代の優勝は今季3人目で通算53勝目となった。前週のAIG全英女子オープンでメジャー初優勝した山下美夢有(24)=花王=は69で回り、通算7アンダーで4位だった。

 河本が起死回生の一打で逆転Vを引き寄せた。1打差を追う15番パー4、残り157ヤードの第2打。フェードが持ち球の河本は左からの強風を計算し、6アイアンでピンより8ヤード左へ振り切り、直接カップインした。「今季一番だった。勇気を持って打ったごほうび」。スーパーイーグルで一気に単独トップに立った。

 「首位と4打差あるでなく、4打しかない。風が吹くしチャンスはある」。22年から兼下真由子トレーナーの指導で改革した前向きなメンタルで臨んだ。昨年2位のリベンジを果たし「うれしいです!」。自身が持つ19色から明治カラーの赤を選んだリボンをなびかせ、トロフィーを掲げた。

 3月に他界した祖父へ送る1勝だ。プロを志した幼少期から金銭面など支えられ「夢を否定せず一番応援してくれた」と感謝。「背中を押してもらった。必死でゴルフと向き合うのがおじいちゃんも好きだったので貫きたい」。天井を見上げながら感慨深げに言った。

 7月上旬には腰痛と熱中症で2試合連続で途中棄権。その後の2戦は復帰したが、出場権があった前週のAIG全英女子オープンは「バテてるから通用しない」と回避した。前週のオフは故郷・愛媛に戻り、5日間クラブを握らず。祖父の墓前に手を合わせ、海に行って人生初のビキニに挑戦した。「船で焼き肉を食べて、バナナボートをしたり…。悪い意味で頑張りすぎたので、人生楽しむことをした」。リフレッシュが奏功した。

 若手の台頭が光る中、黄金世代で53勝目を挙げた。「平均ストローク1位、年間女王になることが目標。強すぎてウザいと思われるくらい強い選手になりたい」。河本の野望は尽きない。(星野 浩司)

 ◆河本 結(かわもと・ゆい)1998年8月29日、愛媛・松山市生まれ。26歳。両親の影響で5歳でゴルフを始める。18年7月のプロテストに合格。同年下部ツアー4勝で賞金女王に輝く。19年アクサレディス宮崎で初優勝。20年から米ツアー本格参戦し、翌年に撤退。24年NEC軽井沢72で2勝目。生涯獲得賞金3億4067万5352円。家族は両親、男子プロゴルフの弟・力(25)。163センチ、58キロ。

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