小平智が逆転で7年ぶり8勝目 「英樹に報告できるのうれしい」 米ツアー再挑戦に意欲


18番、ホールアウトしギャラリーの拍手に応える小平智(カメラ・今成 良輔)

18番、ホールアウトしギャラリーの拍手に応える小平智(カメラ・今成 良輔)

◆男子プロゴルフツアー ISPSハンダ夏の決戦トーナメント 最終日(24日、北海道・ブルックスCC=7286ヤード、パー72)

 3打差8位から出た小平智(Admiral)が逆転で、2018年日本シリーズJTカップ以来となる7年ぶり8勝目を飾った。1イーグル、7バーディーの63をマークし通算24アンダーで、大岩龍一(フリー)を1打振り切った。「本当にうれしい。今までで一番うれしい」。今季最高4260万円の優勝賞金を手にした。

 12番から4連続バーディーを奪いトップを捉えると、17番パー5で残り266ヤードの第2打を3番ウッドで3メートルに運び、イーグルで抜け出した。小平は優勝インタビューで「10番で18番のボードを見たら、岩田寛さんがトップに立っていた。仲良くさせてもらっているので、やる気が入った。そこでスイッチが入った」と振り返った。

 2018年RBCヘリテージでの優勝を機に米ツアーに本格参戦した実力者は昨夏、日本に主戦場を戻した。賞金ランクは53位でシード確保がやっと。23年1月にコーチでもあった父・健一さんを亡くし、モチベーションの維持に苦しんできた。「心の支えだった父とコーチがいっぺんにいなくなった。今でも『親父ならどう言ったかな』と思うことはある」

 今年6月のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品後、心と体を整えるために渡米した。1か月半フロリダの自宅でゴルフ漬けの日々を過ごし、2021年マスターズ覇者で米ツアー11勝の松山英樹(LEXUS)と3日間、ともに練習をした。

 「小平さん、昔こうでしたよね?」。スイングについて指摘を受けた。詳細は「秘密」ながら、松山がもたらしくてくれた気づきが大きな転機になった。「(米国にいる)後輩たちや英樹にいい報告をしたいと思って日本に帰ってきた。すぐにできるのはうれしい。アメリカは捨てきれないので挑戦していきたい」と語った。

 ◇小平 智(こだいら・さとし)1989年9月11日、東京・三鷹市生まれ。35歳。10歳からゴルフを始め、駒場学園高から日大へ進学。2年で中退して2010年にプロ転向。13年の日本ツアー選手権で初優勝し、15年の日本オープン、18年の日本シリーズJTカップを制してメジャー3冠を達成。日本ツアー通算7勝。18年RBCヘリテージで日本勢5人目の米ツアー制覇を達成した。24年7月に日本に復帰。172センチ、70キロ。

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