
15番をパーセーブした高野愛姫。通算6アンダーの5位に付けた(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー 国内メジャー第2戦 ソニー日本女子プロ選手権 第3日(13日、茨城・大洗GC=6840ヤード、パー72 )
前日から持ち越した第2ラウンド(R)の残りと第3Rが行われ、6位で出た高野愛姫(あいひ、Jトラスト銀行インドネシア)が3バーディー、ボギーなしの69で回り、通算6アンダーで首位と4打差の5位に浮上した。21歳の誕生日を迎える最終日にツアー2勝目となるメジャー初Vを狙う。
高野が20歳最後の日に5位浮上を決めた。6番で1・5メートル、10番で7メートル、11番で2メートルを決めてバーディーを奪取。「3日間通してティーショットが良くて、あまりラフに行かなかったのでこのスコアで回れてる」と自信をのぞかせた。
会場の大洗GCは、埼玉栄高3年時の22年に最終プロテストで48位に沈み、不合格となった“悪夢”の地。「大たたきして落ちた。イメージがすごく悪かった」と言うが、ボギーなしの69をマークした。「自分が一番ビックリ。良い思い出に変えたい」と笑顔がはじけた。
プロ2年目の高野は、6月のヨネックスレディスで初優勝。だが、その後は予選落ち5回など成績は振るわなかった。そこで今週は目標を当初の「トップ10」から「トップ20」に変更。「1個のボギーで順位がすごい下がるので、トップ10…って思ってるとつらい。20位にしたら許容範囲というか、自分を許せるから楽しくできる」とプレッシャーが減り、好スコアにつなげた。
闘志を高めてくれる「憧れの人」がいる。今大会に参戦している韓国ツアー9勝の李叡源(イ・イェウォン、韓国)の大ファン。「YEWON」と書かれた自作のボールマーカーを「お守り」として愛用している。自身も韓国語を話せるが「話しかける勇気はなくて、遠くから見てます」と照れ笑い。李が出演するYouTubeを全て見て、体重移動を参考にしたスイングで好ショットを連発した。
�\x914日は21歳の誕生日。首位と4打差で臨む最終日は、逆転で初Vを飾ったヨネックスレディスと同じシチュエーションだ。今回は深いラフ、全長が長い難コースだけに「我慢して1打1打積み上げたい。誕生日にいい位置でプレーできるので、楽しむことだけ考えて明日は回りたい」。逆転Vを再現し、最高のバースデーに変える。(星野 浩司)
◆高野 愛姫(たかの・あいひ)2004年9月14日、東京・北区生まれ。5歳からゴルフを始める。埼玉栄高時代は双子の岩井明愛(あきえ)、千怜(ちさと)姉妹の2学年下。23年に日大に入学。同年11月に2度目の挑戦となったプロテストで合格。24年8月に日大を中退。25年6月にヨネックスレディスで初優勝。167センチ、58キロ。