無敵のメンタル操縦術 女子ゴルフ7年連続優勝の鉄人・小祝さくらの強さの秘密


小祝さくら

小祝さくら

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 女子プロゴルフの小祝さくら(27)が今季ツアーの残り試合を全休する。「大好きなゴルフを続けていくため」に痛めた左手首の手術に踏み切る。

 7月に今季1勝を挙げた翌週に、初めて途中棄権をした。プロ2年目の2018年から昨年8月まで海外メジャーを含む228試合連続出場の鉄人が「これはやばいなと思った」というのだから、相当な痛みだったに違いない。「年もあるのかな。若い時はそういうのはなかった」。20代後半を迎え、体の変化を口にするアスリートは多い。

 プレーの速さ、穏やかに18ホールを行くスタイル。見ていて気持ちがいいプロの代表格で、ファンも多い。結果に落ち込むことは「全然ない」と断言する。「切り替えは早い。あまり深く考えない」。コースの中でも外でも自然体だ。

 6月のアースモンダミンカップ2日目。上位で迎えた後半8番でダブルボギーを叩き後退した。上がりの内容は選手の機嫌を左右する。どんなものかとクラブハウスをのぞいた。小祝は他の選手と声を弾ませ談笑中。こちらに気づくと「お疲れさまで~す」と手を振り笑顔で帰った。「悔しさを押し殺し」という常とう句も、小祝には通用しない。

 ゴルフはミスがつきもの。ショットよりも歩いている時間の方が長いため、嫌でもさまざまな考えが脳内を巡る。プレー中、精神面が占める割合は大きい。その点、初優勝から7年連続で勝利を積み上げてきた小祝のゴルフメンタルは、無敵に映る。今こそ焦らずに体を整える時。心技体がそろった復帰を楽しみに待つ。(ゴルフ担当・高木 恵)

 ◆高木 恵(たかぎ・めぐみ) 1998年入社。編集委員。ゴルフ、4度の五輪(リオ、平昌、東京、北京)を担当。

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