元ソフトバンク監督の父・公康氏の助言で復調 工藤遥加、首位浮上で2勝目王手


18番、ティーショットを放つ工藤。通算4アンダーで首位に立った(カメラ・宮崎 亮太)

18番、ティーショットを放つ工藤。通算4アンダーで首位に立った(カメラ・宮崎 亮太)

◆女子プロゴルフツアー ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 第2日(27日、宮城・利府GC=6590ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 3月にプロ15年目で初優勝を手にした工藤遥加(32)=加賀電子=が25位から首位に浮上し、今季2勝目に王手をかけた。父でプロ野球ソフトバンク元監督の工藤公康氏(62)の助言から復調のきっかけをつかみ、強風の中で3バーディー、ボギーなしの69と伸ばして通算4アンダー。ツアー最多に並ぶ6人がトップで最終日を迎える大混戦を逃げ切る。

 風にも負けず、難しいピン位置にも負けず、工藤がトップで帰ってきた。「気持ちでやっている感じ。調子がいいわけではないけど、とりあえず気持ちで」。1番で2メートルを沈めるなど、しぶとくパーパットを決めていった。平均スコア74・79と多くの選手が苦しんだ一日。ボギーなしで終えたのは工藤と尾関彩美悠(あみゆ)の2人だけだった。

 9月に入り、2週続けて予選落ちしたタイミングで父に相談した。すぐに助言をくれた。「テイクバックが大きくなって振りにいっている。(インパクトから)先を意識して振れば、はるちゃんは大丈夫だよ」。スイングの軸がずれていることを指摘された。「気にして試合を見てくれている。私が聞きに来たら言おうと思ってくれていたみたい」と感謝した。

 野球に詳しくない。セ・リーグもパ・リーグも「よく分からない」と首をかしげる。「マジックってどういうことだ?」。父の優勝を何度も見てきたが、いまだによく分かっていない。しかし最近、初めての推しができた。オリックスの才木海翔投手だ。たまたまテレビを見たら投げていた。「勝負師っぽくて格好良かった」。打者に向かっていく気迫あふれる投球にくぎ付けになった。

 初優勝のアクサレディスは1打差逆転で手にした。首位で最終日を迎えるのは21年のリゾートトラストレディス以来4年ぶり。「そりゃあ勝ちたい。でも勝ちたい勝ちたいと思って勝てるほど甘くない。まずは自分のプレーを精いっぱいやって、チャンスが来たらトライしたい」。コースに立ち向かい、今度は逃げ切りで大混戦を制する。(高木 恵)

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