
18番、グリーンに向かう際に笑顔でガッツポーズする佐久間(カメラ・宮崎 亮太)
◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス 第2日(15日、千葉・グレートアイランドC=6769ヤード、パー72)
メルセデスランキング1位の佐久間朱莉(しゅり、22)=大東建託=が初の年間女王に王手をかけた。8バーディー、1ボギーでこの日のベストスコア65をマークし、通算10アンダーで28位からトップと1打差の2位に急浮上した。ポイントレース2位の神谷そら(22)=郵船ロジスティクス=は4アンダー35位に後退し、同3位の河本結(27)=リコー=は5アンダー26位。このままの順位なら2試合を残して戴冠する。67の永峰咲希(30)=ニトリ=が11アンダーで単独首位に立った。
女王の風格がすでに漂っていた。佐久間がこの日のベストスコア65の猛チャージで優勝争いに加わった。「最近、調子は悪くないので、かみ合ってくればビッグスコアが出せる自信はあった。よく頑張ったと思う」。堂々と笑顔で言った。今大会を含めてシーズンは残り3試合。「(年間女王が)今週決まればラッキー。来週決まればラッキー。そんな感じでプレーしている」。心技体が高いレベルでかみ合った。
初日は年間ポイントレース2位の神谷が首位発進した。「自分がビッグスコアを出せば面白い位置で最終日を迎えられると思っていたので、そらのことは考えずにプレーしていた」。積み上げてきた自信がある。3メートル前後のチャンスを右に外した第1ラウンド後、アドレスの際に腰が右に向いていると気付いて修正した。この日は「球の転がりも良くなった。練習の成果が出た」。猛チャージを呼んだ。
連日同組で回った同門の原英莉花から「すごみが増した。ティーショットも飛んでいるし、アイアンショットもスピンコントロールが利いている」と賞賛の言葉が届いた。実際、開幕前にグリーンが軟らかく、スピンが利きやすいコースへの対策を講じてきた。もともとスピン量が多く、球が手前に戻りやすいため、番手を上げて低い球を打つ練習を繰り返�\x81\x97た。6番の第2打は残り110ヤード。普段のピッチングウエッジではなく9アイアンを握り、ピンに絡めてバーディーを奪った。
原がそこに気づいてくれたことがうれしかった。「ジャンボさん(尾崎将司)のところで一緒にやってきた方にそう言っていただけるとうれしい」と、この日一番の笑顔を見せた。今季5勝目を挙げれば文句なしに初の年間女王が確定する。「明日も自分のプレーに集中して、結果よりもスコアを気にしながらプレーしたい」。最終日も自分と向き合い、より良い一打を追求するだけだ。(高木 恵)

