【JTカップ】牧野裕氏 賞金王争い面白い展開…攻めの蝉川か守りの金子か、最終日後半までもつれる


パットを放つ小木曽喬(カメラ・渡辺 朋美)

パットを放つ小木曽喬(カメラ・渡辺 朋美)

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー 25年シーズン最終戦 メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第2日(5日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)

 2位から出たツアー1勝の小木曽喬(28)=フロンティアの介護=が1イーグル、4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの68をマークし、通算7アンダーで単独首位に浮上した。23位と出遅れた賞金ランク1位の金子駆大(こうた、23)=NTPホールディングス=がこの日最少の67で回り6打差11位に浮上。同3位の蝉川泰果(24)=アース製薬=は2アンダー6位で週末を迎える。

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 初日に続き風は弱く、プレーしやすいコンディションだった。ただ、グリーンの速さが増して、この日の難しさを演出した。東京よみうりCCのグリーンは硬さも傾斜もあり、選手はかなり神経を使う。これで首位だった宋が中盤にスコアを落とし、混戦が生まれた。

 優勝争いも賞金王争いも、非常に面白い展開になった。首位の小木曽は16番と17番は9メートル、6メートルのパットをねじ込んで伸ばした。歴代最多11人の初優勝者が生まれた今季を象徴するように、吉田が曲がりの少ないショットでV戦線に絡んできた。10回目の出場の岩田は風向きもコースも熟知。40代でも衰えない飛距離がすごい。

 賞金ランク1位の金子がベストスコア67で回った。パットがさえてこの日唯一のボギーなし。今季パーセーブ率89・281%で1位と安定感が光る。ピンに対し、グリーンのどこに乗せるかでパットの難度は変わる。第1打からパットまで総合力が試される難コース。唯一、今大会優勝経験のある蝉川は17番のイーグルで息を吹き返した。攻めの蝉川か守りの金子か。賞金王争いも最終日の後半までもつれそうだ。(プロゴルファー・牧野 裕)

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