
3タックのパンツが似合う池田勇太
◆男子プロゴルフツアー 中日クラウンズ 第2日(1日、愛知・名古屋GC和合C=6557ヤード、パー70)
19位で出た池田勇太(フリー)は3バーディー、2ボギーの69で回り、通算3アンダーでホールアウトした。午前7時20分予定だったスタート時間が、降雨によるコースコンディション不良のため1時間遅れた。さらに途中、2時間の中断。午後2時半にラウンドを終えると「眠たい」と目をこすった。
午前は雨が降ったりやんだりと忙しい天候の中でのプレー。「この天気なんでね。自分を許しながら前半はプレーした」。ちょうど雨が強まった頃に迎えた後半4番パー3でグリーンを外し、3メートル半のパーパットが残りボギー。最終9番はピン手前10メートルのバーディーパットが2メートルオーバーしたが、沈めてパーをセーブした。「バーディーは入んねえし、パーパットはなげえし」と嘆きつつ、1つ伸ばして終えた。
通算21勝の2016年賞金王は、22年から「顎偏位症」に悩まされてきた。23年に14シーズン保持したシードを喪失し、顎の手術に踏み切ったのは24年3月。昨年11月に治療を終え、3季ぶりにシード選手に復活した。今季4戦目。「体の不安はないし、なんとなく自分の体に慣れてきた」という頃合いだ。
術後は肩が2センチ下がり、腕は3センチ伸びた。治療が終わって気づくことも多かった。「よくあの体で俺はやっていたなと。力感もそうだし、治療中の体と今の体では、全く別物。他人の体でゴルフをやっているようなもの。そこに合わせたスイングや道具の調子は必要。スイングも改造とまではいかないけど、調整している」
前週の前沢杯は初日に71位と出遅れながら、27位まで順位を上げて大会を終えた。「この2週間、しっくりきているところと、きていないところを感じている。もう少し自分の出したいフィーリングがしっかり出せるようなフォームがまとまってくるといいんだけど」。試行錯誤は続くが、前進を感じられることがうれしい。
19年ミズノオープンでの21勝目を最後に、優勝から遠ざかっている。昨年12月に40歳になった。「最後の10年っていうところもある。もう一回、この40からリスタート。3年、4年と治療にかかったんだけど、あのタイミングでやってよかったなって。最後の大一番じゃないけど、この10年が勝負」。相当な覚悟を持って、不惑のシーズンを踏み出した。
昨年12月に78歳で死去した日本ゴルフ界のレジェンドで、「ジャンボ」の愛称で親しまれた尾崎将司さんが、1995年からの3連覇を含む5勝を挙げた大会だ。思い入れは強い。「決して得意ではないこの和合で、もう一度改めて考えながら、この2日間をプレーしている」と思いを明かした。
ジャンボ尾崎さんに憧れ、小学校高学年から3タックのパンツを愛用した。「(ジャンボブランドの)J’sのセーターを着て小学校に行っていたから。ゴルフを始めた頃からジャンボ愛です」。今季は追悼の意を込め、国内開幕戦の東建ホームメイトカップから、11年ぶりに3タックに回帰した。「もっと違和感があると思ったらね、はいて一日で元に戻った。歩きやすい。気になることがない。ノーストレス」。やはり、しっくりくるようだ。
コース内、クラブハウス内のいたるところに、偉業をたたえるパネルが飾られている。「本当にうれしい。大会として、ジャンボさんの存在をすごく大切にされていたっていうのがよく分かる。だから僕は、一ファンとしてすごくうれしい」と感慨深げに言った。「あと2日、ここ最近にはない自分のゴルフっていうのを、皆さんにお見せできるように頑張りたい」。ジャンボ尾崎さんが大会を初めて制したのは40歳だった1987年。生涯の憧れの人と同じ年齢で、歴代勝者に名を刻む。(高木 恵)

