谷原秀人、2位浮上!メジャー初Vで賞金ランク1位が見えた!


 ◆報知新聞社後援 男子プロゴルフツアーメジャー第2戦 日本プロ選手権 日清カップヌードル杯第3日(9日、北海道クラシックGC、7094ヤード、パー72)

 3位から出た谷原秀人(37)=国際スポーツ振興協会=が8バーディー、1ボギーの65をマーク。首位と3打差の2位に浮上し、自身初のメジャー制覇へ好位置につけた。9年ぶり2度目の2週連続Vを飾れば、目下2位の賞金ランクで首位に立つ。初の賞金王へ、日本タイトル初奪取で弾みをつける。通算16アンダーで武藤俊憲(38)=フリー=が初日からの首位を守った。

 一見、ピンチに見える状況にも谷原は冷静だった。14番パー4。第2打でグリーンを外しラフに入れた。カップまで残り9ヤードの第3打。「ラインも読みやすいし、チャンスだと思った」。ウェッジで柔らかく上げたボールは狙い通り、カップに消えた。15、16番まで3連続バーディー。8バーディーを奪った。

 1番パー5ではピン手前約25メートルの位置に2オン成功。ただカップを直接狙うには、2つの大きな傾斜が待ち構えていた。3パットの危険性もある状況で、手にしたのはウェッジだった。「最初の傾斜を越していけば易しいパットが残る」。ボールを上げることで傾斜を避け、約2メートルに寄せバーディー。状況に応じた技を繰り出し快進撃につなげた。

 飽くなき探求心が、強さの秘密だ。6月下旬には飛距離アップを求め、ドラコンプロの安楽拓也氏(46)のDVDを購入し「下半身の使い方」などを研究。先週の優勝につなげたが満足せず、今大会前には安楽氏から直接、指導を受けた。試合中に練習場で藤本佳則(26)に「体、どうやって使ってるの」と聞くこともある。11歳も年下の後輩の力を認め、長所を学ぼうとするなど貪欲だ。

 谷原、武藤とも日本タイトル未勝利で、両者の最終日最終組対決も初めて。2週連続Vへ、ゲームプランも披露した。「全体的に(コースは)易しく感じる。なるべく前半で(3打差を)追いつけたら」。序盤から飛ばして追いつき、相手に重圧をかける構え。

 現在の獲得賞金は約5734万円で賞金ランク2位。昨年の賞金王で今年も1位を快走する金庚泰(韓国)とは約2677万円差。金は今大会を欠場しているため、優勝すれば逆転する。賞金王レースでは06年の2位が最高。メジャー初Vを飾り、日本人では2年ぶりとなる“キング奪還”の足固めとする。(高橋 宏磁)

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