上手くなりたければ「月1回のラウンド。週1の練習。そして、毎日30分程度はゴルフのことを考える」ことだという。これは、日本のアマチュアゴルファーの第一人者、阪田哲男さん(66)の座右の銘ともいえる言葉。かつて、尊敬する故・鍋島直要さん(元・日本ナショナルチーム競技委員長)がよく言っていたもので、要は、ゴルフが上手くなりたいのなら、常にゴルフというものを身近な存在として感じていなくてはダメ―ということ。
経済的な理由はさておき、普通のサラリーマン・ゴルファーなら仕事も家庭もあって、ラウンドも月に1回程度だろう。しかし、10日も20日もクラブを握らないと「体がゴルフを忘れてしまう」という。だから、時間を見つけて、1週間に1度くらいは打ちっ放し練習場などで200球くらい打つこと。ボールを打たずに上手くなる方法は無い。そして、ゴルフ関係の本を読んだり、酒の席でゴルフ談義をしたりで常にゴルフに触れていることが、上達を目指す〝起爆剤〟になるという。そこがスタート地点だ。
まず、阪田氏は「グリップ」の見直しを訴える。10人中7人は間違った握りをしているというのだ。というのも、〝飛ばしたい〟にもかかわらず、手首の返しが利かない「ウィーク・グリップ」で握っているからだ。阪田氏が推奨する握りは「構えた時に、左手の人差し指と中指の付け根の2つの関節が見えていること」だ。飛ばすためにはリストターンを使ってヘッドスピードが上げるのだが、「ウィーク・グリップ」だと、左手甲がすでに目標方向を向いているためにリストターンの幅が小さくなってしまう。ここを指摘した。
そこで、左手は〝やや〟かぶせ気味にして、人差し指、中指の根元の関節が2つ見えるくらいに握ればリストターンの幅が最適なものになるそうだ。かといって、薬指までの3つの関節が見えるようになると幅が大きくなりすぎてタイミングが取りにくくなる。気をつけたいところだ。勿論、これは正しいボディーターンがあってこそのアドバイス。そうすれば、このリストターンが相乗効果を生んで、ヘッドスピードがアップして飛距離も伸びることになる。正しいグリップ(握り方)をすることが、上達するための〝始まり〟、そして〝近道〟になる。