◆男子プロゴルフツアーANAオープン 第1日(15日、北海道・札幌GC輪厚C、7063ヤード、パー72)
大会連覇を狙う石川遼(24)=カシオ=が、9バーディー、ボギーなしの9アンダー63で首位発進した。優勝した昨年の日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)第3R以来の約9か月ぶり、アマチュア時代を含め国内ツアーの初日最少となる63の好スコアをマークし、2位に1打差をつけて自身4度目の単独首位スタート。2位には、重永亜斗夢(28)=ホームテック=ら4選手がつけた。
失敗は恐れない。攻めの姿勢を貫いて、石川がロケットスタートを決めた。ハイライトは左ドッグレッグの7番パー4だ。練習ラウンドでさえ使わなかったドライバーを握ると、視線は左の林を向いた。林もバンカーも恐れずに最短ルートを選択。ボールはラフに埋まったが、2打目を1メートルにつけてバーディー。危険を覚悟しスコアを伸ばした。「イメージに近い感じでバーディーを取ることができた」と充実感をにじませた。
フェアウェーキープ率は約43%で部門別ランク74位。ティーショットに不安があっても関係なく、果敢にピンを狙い続けた。4番は右ラフから残り96ヤードの2打目を50センチにつけバーディー。18番は左の林の中から、2打目をピン右5メートルにつけパーを拾った。54で回ったプロアマ戦と同様、アイアンショットは完璧だった。アマ時代を含め国内ツアー145試合の初日では、自己最少スコアとなる63を出した。
パーオン率は圧巻の100%。完全復活が近づいてきた。2月以降、腰痛で静養。腰への負担も考慮し5か月間も封印した練習法を、8月上旬から“解禁”した。その練習とは非力な女性向けの超柔軟シャフトを搭載した6アイアンでのショットだ。「少し急いでテイクバックをするだけでシャフトがグニャグニャと曲がる。体全体を使って完璧なタイミングで打たないと真っすぐ飛ばない」と用具担当者。静養前と同様の練習ができるのは、肉体面への不安が消えた証拠でもある。
単独首位発進は初の大会連覇を飾った10年フジサンケイクラシック以来、4回目。過去3回のうち2回で優勝しており、2度目のV2へ、これ以上ない好位置。「ショットの精度はまだまだ。良い位置で週末にプレーできるよう頑張りたい」と気を引き締めた。豪快な攻めと冷静な判断力。好スコアが続出しているが、思い通りのショットが続けば連覇への死角は見当たらない。(高橋 宏磁)