15歳・長野が1打差2位の最高位発進…5位以内にアマ5人の“アマ旋風”


 ◆女子プロゴルフツアー国内メジャー第3戦 日本女子オープン第1日(29日、栃木・烏山城CC二の丸・三の丸C、6506ヤード、パー71)

 空前の“アマ旋風”が吹き荒れた。長野未祈(みのり、15)=千葉・麗沢高1年=が2アンダー69で回って1打差2位。1988年のツアー制度施行後、メジャー大会で日本人アマとしては最高位発進を決めた。メジャー大会で5位以内にアマ5選手が入ったのもツアー制度初めて。森田遥(20)=フリー=が3アンダー68で回り、メジャーで自身初の首位スタート。

 秀才女子高生 女子日本一を争うメジャーで、15歳の高校1年生・長野が初日の主役に躍り出た。5位タイまでに5人のアマチュアが入る“アマ旋風”の先頭を走り、88年のツアー制度施行以降の日本人最高位となる2位発進。「ティーショットでフェアウェーを外したのは1回(17番)だけで、このようなスコアになった。80点ぐらい」と合格点をつけた。

 千葉の進学校・麗沢高に通う秀才女子高生は、ホールアウト後に「5番の第3打は103ヤードを52度(ウェッジ)でフルショットして50センチにつけてバーディー。6番は第2打の183ヤードを4ユーティリティーを短く持ってピン左8メートルにつけ、たまたま入って…」と正確な距離までスラスラと再現した。プロでもヤーデージブックを見ながら振り返るのが通常だが、メモも何も見ずに抜群の記憶力を披露。「いつも全部覚えています」と屈託のない笑顔で答えた。

 日々の努力で下半身を強化し、安定したショットを体得した。「5時半に起床し、6時半から走り込みを行った後、30~40分間のパター練習を行って7時20分に家を出る。帰宅後は夕方5時半から250球練習する」というのが毎日の“ルーチン”。走り込みは「100メートル坂道ダッシュ20本」と「6キロの持久走」を1か月交代で行う。男子ゴルフの中嶋常幸(61)が主催する「ヒルズゴルフ・トミーアカデミー」にも参加し、体幹トレなどを教わっている。

 みなみ超えへ 今大会で優勝すれば、15歳278日。平瀬真由美の20歳27日のメジャー最年少優勝記録だけでなく、勝みなみの15歳293日を抜いてツアー最年少優勝記録も更新する。スーパー女子高生の今大会の目標は「予選通過」、近い将来の目標は「プロになること。東京五輪は年齢的に厳しいかな」と控えめな性格かと思いきや、最終目標は「ゴルフ殿堂入り」ととてつもなく大きかった。(勝田 成紀)

 ◆長野 未祈(ながの・みのり)2000年12月29日、東京・江戸川区生まれ。15歳。千葉・麗沢高1年。小学3年時に両親の練習についていったことがきっかけでゴルフを始める。13、16年に石川遼カップで優勝。プロの大会は、15年に2試合に出場(ともに予選落ち)。今年はゴルフ5レディスに出場して24位に入った。ベストスコアは64。ドライバー平均飛距離は240ヤード。得意クラブは7アイアンとパター。目標とする選手は、フィル・ミケルソン(米国)。家族は両親、兄、弟。163センチ、59キロ。

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