松山が初メジャー制覇に王手!5連続バーディーで奪首…日本オープン


9番、バーディーパットを沈めた松山英樹は、気合の表情で歓声に応える

 ◆男子プロゴルフツアー 国内メジャー第3戦 日本オープン第3日(15日、埼玉・狭山GC、7208ヤード=パー70)

 8位で出た松山英樹(24)=LEXUS=が5連続バーディーを含む6バーディー、1ボギーのベストスコア65で回り、通算4アンダーで単独首位に躍り出た。14年12月のダンロップフェニックス以来の国内ツアー通算7勝目&国内初メジャー勝利に王手をかけた。

 本領を発揮した怪物の力はすさまじかった。松山はベストスコア65をマークし、5度目の出場で初の首位。「まだ3日目。優勝が決まる訳ではない」。最終18番をパーで締めると、数千人から称賛の拍手が送られたが、夕日に染まった顔には少しの隙もなかった。

 怒とうの5連続バーディーだ。9番、残り260ヤードの第2打。3ウッドでピン右8メートルにつけて楽々と奪い、10番はラフから10メートルをチップイン。連続で伸ばす姿に観衆のボルテージは徐々に高まる。11番で5メートルのパットを沈めると、12、13番も奪った。5連続は昨年8月ダンロップ・スリクソン福島オープン以来の自己最長。久々の雄姿をファンに届け、地鳴りのような歓声を浴びた。

 予選2日間で99位だったフェアウェーキープ率は第3日トップの78・57%で23位まで上昇。パーオン率も1位の83・33%で世界レベルのショートゲームにドライバーがかみ合った。5番では第1打で左の木に当たった球が、フェアウェーに戻るなど運も味方に。大会3日目としては2番目に多いギャラリー1万468人に世界ランク18位の力を見せつけた。

 コースを離れれば面倒見のいい24歳だ。先週は母校・東北福祉大の後輩らと仙台市内で練習ラウンド。「プロの技を盗め」という思いを背中で語り、夕食にも連れて行った。それは学生時代にOBの谷原秀人や池田らにもらった恩をつなぐため。ローアマのかかる比嘉との同大学2冠の可能性もあり、ゴルフ部の阿部靖彦監督(54)は「監督冥利に尽きるね」と活躍を喜んだ。

 プロ転向後、国内メジャーでのV争いは13年5月の日本プロ(2位)のみだが、首位で迎えたツアー最終日は同大会以外4勝。取材終了後は30秒もしないうちに会見場横のグリーンで練習を始め、初の日本タイトルへ貪欲な姿勢を見せた。「ベストを尽くした結果、優勝だったら」。名実ともにゴルファー日本一の称号を手にする。(浜田 洋平)

 ◆13年5月の日本プロ選手権日清カップヌードル杯 最終日を4打差首位で出た松山は3バーディー、7ボギーの75と崩れて通算4アンダーの2位。最終18番で決めればプレーオフだった2メートルのパーパットを外し、17位から65で回った金亨成にツアー記録に並ぶ9打差逆転負けを喫した。

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