イ・ボミ、POで因縁の笠りつ子を下し、20勝!2年連続賞金女王に王手


プレーオフ2ホール目でバーディーを奪い、優勝を決めたイ・ボミ

プレーオフ2ホール目でバーディーを奪い、優勝を決めたイ・ボミ

 ◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス最終日(13日、千葉・グレートアイランドC、6639ヤード、パー72)

 韓国のイ・ボミ(28)=延田グループ=が大会連覇で2年連続賞金女王に王手をかけた。首位と3打差2位で出て、通算10アンダーで笠りつ子(29)=京セラ=とのプレーオフ(PO)に突入。2ホール目でバーディーを奪って賞金女王を争うライバルを振り切った。過去POで2度負けていた相手に雪辱し、日本ツアー通算20勝目を飾った。

 女王は強かった。18番パー4で繰り返し行われたPO2ホール目、残り約140ヤードの第2打。ボミの両目にはピンしか映っていなかった。「攻めていかないとバーディーはない。どんどん攻めていくしかない」。ピン左3メートルにつけると、パットも決めてバーディーで決着をつけた。昨年優勝して賞金女王を決めた思い出の大会で連覇し、日本通算20勝目。「本当にうれしいし、信じられない。幸せ」とスマイルを輝かせた。

 愛くるしい表情の下には、燃えたぎるような気迫があった。最終日最終組に続きPOでも対決した笠は、POで2戦2敗と因縁の相手だ。賞金ランク3位で女王レースのライバルでもある。「今日負けたら(女王レースで)負けてしまうと思った。ここまで1位で来たのに負けるのは嫌。気持ちを強く持った」。ラウンド中は母・ファジャさん(54)の作った韓国風のり巻きを食べてパワーを充電。3度目の正直でリベンジに成功した。

 女王争いへの意識が強すぎて「勝つことや、そういうことばかり考えていた」。転機になったのは前週のTOTOジャパンクラシック。初日に世界ランク1位のリディア・コ(ニュージーランド)と同組でプレーし「ピンをイメージして打つことの方が重要だと思った」と気づいた。

 今季の獲得賞金を約1億7330万円とし、2位の申ジエ(韓国)との差を約3685万円に広げた。17日開幕の大王製紙エリエールレディス(愛媛・エリエールGC松山)で単独3位以内に入れば2年連続の賞金女王が決まる。昨年大会では優勝し、男女を通じ国内ツアー史上最高額(01年伊澤利光=2億1793万4583円)を更新した。「来週も優勝ができたら最高かな。同じシナリオで」。今年も圧倒的な強さで頂点に立つ日が、近づいてきた。(高橋 宏磁)

 ◆日本女子ツアーの通算20勝 ボミは156試合目で到達。1988年のツアー制度施行後ではアン・ソンジュ(韓国)の147試合に次ぐ2番目の早さとなった。28歳84日での到達は不動裕理(26歳314日)、横峯さくら(27歳283日)、アン(28歳69日)に次いで4番目。

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