【日本Sオレは勝負なし】〈5〉池田「勝負〇〇」をあえて作らないこだわり


 ◆池田勇太(8年連続8度目)=30歳、日清食品=パナソニックオープン、ツアーワールド・カップ優勝

 あれこれ考えてみたんですが「勝負〇〇」とか、全く気にしないんですよ。験を担ぐこともないし、ゴルフ用具以外でこだわっているものはない。ショットやパットの前のルーチンも全くないし、決めようと思ったこともない。打つ瞬間だけ集中すればいい、という考え。強いて言えば「勝負〇〇」をあえて作らないことが、こだわりかな。

 昔の方が、こだわりがあったかもしれない。ウェアもこういうの(3タックのパンツなど)を着よう、とか。今は契約するブランド(マスターバニーエディション)の方に決めてもらい、その通りに着ている。昔はマネジャーをつけられる身分でもなかったし、運転も自分でしたけど、今は任せている部分が多いですね。

 「これだ」っていう勝負アイテムがあってもいいんだろうけど、作ったら作ったで大変だと思うんですよ。それがなかったりしたら「どうしよう」って慌てることにもなるし。周囲から見れば、余計なことを考えない気楽さがあるように映るかもしれない。ただ僕には、それが普通なんです。

 どの試合でも優勝を狙うのは当然ですが、日本シリーズJTカップは最終戦だし、僕にとっては賞金王もかかっているので特に大事な試合。出場選手は少ないけど、優勝している人たちばかりだから厳しい戦いになると思う。シーズン最後を優勝で締めくくって、さらに賞金王も決められれば、最高に気持ちいいでしょうね。

 ◆池田 勇太(いけだ・ゆうた)1985年12月22日、千葉県生まれ。30歳。2003年世界ジュニア、06年世界大学選手権など数々のタイトルを獲得して07年にプロ転向。08年に初シードを獲得し、09年は初優勝をメジャーの日本プロで飾るなど4勝で賞金ランク2位。10年も4勝を挙げ2年連続最多勝。今季まで8年連続優勝中で通算15勝。176センチ、76キロ。