【日本S】小平、片山晋呉も行う左打ちで進化! メジャー最年少3冠へ「自信ある」


笑顔を見せる小平智(左は金亨成)

笑顔を見せる小平智(左は金亨成)

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアーメジャー最終戦 日本シリーズJTカップ第3日(3日、東京・東京よみうりCC、7023ヤード=パー70)

 1973年のツアー制施行後、最年少のメジャー3冠を狙う小平智(27)=Admiral=が11アンダーで単独首位に立ち、通算5勝目に王手をかけた。

 最後までポーカーフェースを貫いた。18番。約50センチのパーパットを沈めた小平は、ギャラリーの拍手に右手を上げて応えた。「落ち着いて淡々と回れているのがスコアを伸ばせている要因だと思う。優勝への自信はあります」。交際中の古閑美保が3日連続で見守る中、ムービングデーに単独首位に浮上。尾崎将司を超える27歳84日でのメジャー最年少3冠へ王手をかけた。

 圧巻は8番だ。6アイアンで高く打ち上げ、ピン数十センチをかすめて1メートルにピタリ。もう少しでホールインワンという一打で観客をどよめかせ、7番から連続バーディーを奪った。「自分のイメージを出しやすい。好きなコース」。後半にも1つ伸ばし、賞金王を狙う池田に3打差を付けた。

 今夏から取り入れた特訓で進化した。体のバランスを整えるため、片山晋呉も行っている左打ちだ。練習の冒頭に左用の8アイアンで30球前後打って、その後は右で通常通り打ち込む。今では元レッスンプロの父・健一さんに「左で回っても負けないよ」と豪語するほど上達したという。

 普段から食事に誘い、プレーでも助言している片山は「今の若手では一番センスがある。よく勉強してる」と認め、「日本で上位に来るのは当たり前。自分に何が足りないか感じるためにも早く海外に行った方がいい」と“脱・日本のススメ”を説いた。今大会優勝なら3年シードを獲得できるため、シード権を維持したまま海外に挑戦できる。

 以前から海外志向が強く、14年末には米男子下部ツアーの最終予選会にも出場している。「(片山に認めてもらうのは)本当にうれしいです。“出過ぎた杭(くい)”になりますよ」。片山がかつて出演した「情熱大陸」で話していた言葉を胸に刻み、王者の中の王者を目指す。(武藤 瑞基)