【日本S】勇太、初の賞金王へ前進も満足感なし…メジャー3冠で決める


笑顔でラウンドする池田勇太

笑顔でラウンドする池田勇太

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアーメジャー最終戦 日本シリーズJTカップ第3日(3日、東京・東京よみうりCC、7023ヤード=パー70)

 8位から出た賞金ランク首位の池田勇太(30)=日清食品=が67で回り、通算8アンダーで首位と3打差の2位に浮上した。逆転賞金王には優勝しかない同2位・谷原秀人(38)=国際スポーツ振興協会=は72と崩れ6打差7位に後退。池田が初の賞金王へ大きく前進した。

 賞金王へ大きく前進しても、池田に満足感はない。18番は約3メートルのチャンスを決められずにパー。観衆から大きなため息が漏れると肩を落とした。「最後が悔やまれる。(首位の)小平との差を1打でも縮めたかった」。2位浮上だけでは物足りない。

 耐えてしのいで、賞金ランク首位の意地を見せた。10番、ドライバーの1打目を左に大きく曲げてボギー。続く11番もドライバーを左に曲げてスコアを落とした。自身への怒りを、白球にぶつけた。続く12番。ドライバーを豪快に振り抜いてフェアウェー中央に運ぶと、2打目をピン手前4メートルにつけてバーディーだ。

 「12番で取って、流れが変わった」。14番で4メートル、17番は2メートルを決めスコアを縮めた。「2日目はアドレナリン(が出て)飛びすぎてアイアンの距離感が合わなかったけど、今日はアドレナリンも考慮してクラブを選んだ」と坂井恵キャディーは明かした。みなぎるパワーを冷静に計算。今大会で初めて3日間連続の60台をマークした。

 11月中旬に左肩を痛めた。痛みは消えず、今大会直前にもハリ治療を施した。だが堀川智トレーナーは「痛みは本人にしか分かりませんが、体調面での不安はない。不安があったら300ヤードも飛ばせないですよ」と笑い飛ばした。17番は下り傾斜も利用して330ヤードのビッグドライブを計測。パワーは十分に残っている。

 谷原との2打差を逆転して3打差をつけた。単独3位以内に入れば、谷原の結果にかかわらず賞金王が決まる。ライバルは7位に後退して初の栄冠は目前だが、目標はただ一つ。09年日本プロ、14年日本オープンに続くメジャー3冠だ。「勝てなかったら悔いが残る。勝って(賞金王に)なりたい」。真の王者の称号は、誰にも渡さない。(高橋 宏磁)