初の賞金王を手にした池田勇太(30)=日清食品=が5日、都内で日本ゴルフツアー機構(JGTO)の年間表彰式に出席。青木功会長(74)から「Most Impressive Player(MIP)賞」を贈られるなど、7冠に輝いた。レジェンドから託されたツアー人気向上への思いを胸に、来年4月のマスターズ(米ジョージア州オーガスタナショナルGC)を見据えた。
うれしさとともに、決意をにじませた。今季3勝で賞金王を獲得した池田がMIP賞を初受賞。「子供の頃のスタープレーヤー」と尊敬する青木会長に選んでもらい「期待されているのかな。『じゃあ、勇太、あとは頼んだぞ』と言われた気がする」と背筋を伸ばした。
最も印象に残った選手に贈られる同賞は、これまでファン選出だったが、今季は青木会長の独断で決定。07年から9年連続で受賞した石川遼(25)=カシオ=を止め、昨年まで3年間、選手会長を務めた功労者が選ばれた。会見に同席した大先輩から「これからも池田勇太は大きくなるし、なってほしい。期待している」とエールを送られた。
4日までの日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)で2位。賞金王になりながらも、勝利を逃し「目の前で交通事故が起きたみたいに優勝をさらわれて悔しかった」と喜びは半減。しかし、一夜明けたこの日は最優秀選手賞、平均ストローク賞などの7冠に「うれしい気持ちが、みるみる湧いてきた」と本紙を手に笑顔を見せた。
世界ランクは日本人2番手の34位で年末時点での50位以内が確定し、6年ぶり3度目となる来年4月のマスターズ切符を獲得。起用するキャディーなどは現時点でノープランだが、夢舞台に立つ意義は大きい。「選手が青木さんの背中を見て変わらないと。『日本のゴルフ界ってすごいんだぞ』と発信していかなくてはならない。優勝争いを目標にね」。一プロゴルファーとして、若大将がその使命を貫く。(浜田 洋平)