菊地絵理香、2度目完全Vで海外勢の連勝8で止めた!


 ◆女子プロゴルフツアーTポイントレディス最終日(19日、鹿児島・高牧CC)

 単独首位で出た菊地絵理香(28)=オンワードHD=が5バーディー、1ボギーの68で回り、大会最多タイ記録の通算14アンダーをマーク。初日から首位を譲らない完全優勝で、昨年4月以来のツアー通算3勝目を挙げた。ボギーを打たない安定したゴルフで3度目の逃げ切りV。昨年10月以来続いたツアー史上最多の海外勢の連勝を8で止めた。自身初のシーズン複数回優勝と国内メジャー制覇を目指す。渡辺彩香(23)=大東建託=が5打差2位。

 ゴルフ界のエリカ様が、今季の主役候補に名乗りを上げた。菊地は安定感抜群のゴルフで唯一、60台を3日間並べて自身2度目の完全Vを飾った。今大会のパーオン率は全体1位の83%で、ボギーは2つだけ。「(開幕後)早めに勝つことができて本当にうれしい。何が何でも逃げ切りたかった。無駄なボギーを打たずに、淡々とできればと思っていた」と道産子美女は喜びをかみしめた。

 飛ばし屋の渡辺との最終日最終組対決。菊地は得意のショートゲームで対抗した。1番パー5は残り85ヤードの左バンカーからウェッジで1メートルにつけてバーディー発進。16番パー5も残り120ヤードから9アイアンで2メートルにつけて伸ばし、2位以下との差を広げた。身長157センチと小柄で「飛距離が出る方ではない」とオフも、得意の100ヤード以内のショットや小技を磨き、その成果が表れた。

 優勝を意識して勝ち取った。最終日に首位から逃げ切った過去2勝は「リーダーボードは見ずに、伸ばすことだけを考えていた」という。今大会はボードを確認しながら回った。「重圧もあったが、落ち着いてできた。まだ接戦では勝てていないので、今後につながる」と初の年間複数回Vへ自信も手にした。

 ツアー史上初となる海外勢の開幕3連勝も阻んだ。15年10月の日本女子オープンは、3日目に単独首位に立ちながら最終日に74と伸ばせず、プレーオフで田仁智(韓国)に敗れた。「ここで勝てたからといって安心してはいけない。まだまだ技術不足でアン・ソンジュ選手、イ・ボミ選手、申ジエさんには及ばない。危機感を持ちながらやりたい」。昨季32戦で18度のトップ10入りしたエリカ様は“我が道”を貫き、日本のエースへの階段を上る。(榎本 友一)

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