◆男子プロゴルフツアー 東建ホームメイトカップ第2日(14日、三重・東建多度CC名古屋)
9位から出た通算4勝の小平智(27)=Admiral=が64で回り、通算9アンダーで単独首位に浮上した。歴代最多12度賞金王の尾崎将司(70)=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ=に弟子入りして学んだアプローチが好調で7バーディー、ボギーなし。3月4日に結婚した2008年賞金女王の古閑美保(34)の故郷・熊本への思いを胸に、初の国内開幕戦Vへ挑む。
熊本地震から1年。夫人の故郷について問われた小平は「美保が復興のことでいろいろやっている。応援したいし、できることがあれば協力したい。勇気を与えたり(被災者が)頑張ろうと思えるようなプレーを(これからも)したい」と力を込めた。発生間もなくから古閑は募金活動を行うなど支援を継続。間近で見てきた小平も、強い思いでラウンドに臨んだ。
9番からの4連続バーディーなどベストスコアの64をマークし、昨季最終戦の日本シリーズJTカップ第3日以来の単独首位。「リズムよく、いい緊張感で慌てることなくやれた」とうなずいた。アプローチが絶好調だったが、その秘訣(ひけつ)はオフの“ジャンボ塾”での教えだった。
古閑が現役時代に何度かジャンボ邸を訪れて指導を受けていた縁もあり「勇気を振り絞って」お願いすると、結婚報告を兼ねて訪れた今年3月初めから3~4度の指導が実現。朝9時から休憩を挟み6時間ほど手ほどきを受け「感覚的に、そういう打ち方もあるんだ」と新たな発見があったという。その際にもらったウェッジを試合で投入。この日は3回使い、17番パー5では第3打を50センチにピタリと寄せ、7つ目のバーディーを奪った。
昨年は初勝利が10月のブリヂストンオープンと遅く、もどかしかった。「結婚して責任感が増した」今季はトレーニングを2月中に完了し、3月はコースで球打ちに専念。「シーズン序盤から優勝したい」との思いで開幕に向けて仕上げた。目標は史上初となる夫婦での賞金王&賞金女王。「まだ2日目がトップなだけ。無駄なミスを少なくして、落ち着いてできたら」。テレビ中継の解説で熊本にいる古閑に、うれしい報告を届ける。(岩原 正幸)