川岸史果が“怪物”父・良兼の前で単独首位!「100点」


16番、クロスバンカーから砂煙を上げて第2打を放つ川岸。通算8アンダーの単独首位に立った(カメラ・今西 淳)

 ◆報知新聞社後援 女子プロゴルフツアーメジャー第1戦ワールドレディス サロンパスカップ第2日(5日、茨城・茨城GC西C=6670ヤード、パー72)

 川岸史果(22)=加賀電子=は首位タイで出ると、5バーディー、1ボギーの68で回り、通算8アンダーで単独首位に立った。男子ツアー通算6勝で「怪物」と呼ばれた父の川岸良兼(50)が応援に駆けつけ、3連続バーディーを披露するなど首位キープ。川岸家初のメジャーVで3年のツアー出場権を獲得し、米ツアー挑戦への道を切り開く。岡山絵里(20)=ニトリ=は、20歳337日での日本人大会最年少Vへ1打差の2位。ツアー未勝利の若手コンビが大舞台で初優勝を争う。

 駆けつけた父・良兼に史果は結果で応えた。11番。145ヤードから3メートルにつけてこの日、初バーディー。「11番からエンジンがかかってきた。後半はバーディーチャンスで自信を持って打てた。父も来ていたらしいですね」。怪物譲りの平均270ヤードの飛距離を生かし、メジャーの狭いグリーンにしっかり乗せた。3連続で伸ばすと、2日続けて68で8アンダーの単独首位。普段は厳しい言葉ばかりの父に「今日は100点」と言わせてみせた。

 帽子を目深にかぶり、サングラスとマスクをつけて、こそこそと木の陰に隠れるように遠くから見守った良兼。「アプローチはうまくなったな」「ティーショットが安定している」。そう漏らす父が来るのは今季4試合目。史果は「どこにいたんですかね」と気づいていなかったが、頑張る姿が何よりの親孝行となった。

 こどもの日のサポートがあった。史果が会見を終えると、父が氷袋を持って出迎えた。「もう子供じゃない。22歳なんだから」と憎まれ口をたたきながらも、娘が慢性的に痛みを抱える右足首のケアのために用意。写真撮影に渋々応じる2人だが、肩を組んだ表情は親子ともどもほころんだ。史果によると、プライベートも含めて「アマで初めてツアーに出た時(09年8月)以来」の2ショット。史果のキャディーを務める女子プロの母・麻子(50)は「嫌と言いつつ、うれしそうですね」とほほ笑ましい光景に目を細めた。

 メジャー初出場初Vなら日本人プロでは8人目の快挙。勝って20年までの国内ツアー出場権を獲得すれば、米ツアー最終予選会の受験を検討している。良兼は「世界一になるくらいの気持ちがあれば勝てる」と背中を押した。史果も「もちろん優勝争いがしたい」と父の期待に応えるつもり。川岸家初のメジャーVで世界への扉を開く。(浜田 洋平)

 ◆今大会の最年少V記録 15年大会の田仁智(韓国)で20歳273日。日本人では14年大会の成田美寿々で21歳215日。岡山が勝てば成田を抜き日本人最年少。22歳206日の川岸が勝てば、大会史上5番目の若さ。メジャー初優勝の年少記録では岡山が勝てば6番目、川岸が勝てば13番目の若さとなる(最年少記録は昨年の日本女子オープンでの畑岡奈紗で17歳263日)。

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