“涙の1000本パット”…歴代番記者が見た宮里藍の素顔


 海外メジャー初挑戦だった04年全英女子オープンは強く印象に残っている。ショットは絶好調、パットは絶不調。第1日1番パー5。第1、2打ともに完璧で、いきなりピン左2メートルのイーグルチャンス。しかし、2パットのバーディー止まり。結局、最後までグリーン上で苦しみ、予選落ちした。

 第2日のホールアウト後、すぐに練習グリーンへ向かったが、やはりカップに入らない。泣きながらロッカールームに駆け込んだ。ここからが宮里藍の真骨頂だった。泣き腫らした顔で再び練習グリーンに戻り、日が暮れるまでボールを転がし続けた。後に米女子ツアーで「最もパットのうまい選手」と呼ばれることになる。才能だけじゃない、努力の裏付けがあった。

 多くの藍伝説で、私にはこの“涙の1000本パット”が一番だ。後年、彼女に当時の話題を振ると「1000本は大げさでしょ」と突っ込まれたけど。(02~06、13年担当・竹内 達朗)

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