「人生が豊かになった」…引退表明の宮里藍に聞く


爽やかな笑顔で質問に答える宮里藍。大勢のカメラマンが会見の様子を追いかけた(カメラ・森田 俊弥)

爽やかな笑顔で質問に答える宮里藍。大勢のカメラマンが会見の様子を追いかけた(カメラ・森田 俊弥)

 女子プロゴルフの日米ツアー通算24勝の宮里藍(31)=サントリー=が29日、東京・新宿区の京王プラザホテルで会見し、今季限りでの現役引退を表明した。モチベーション維持の難しさを引退理由に挙げる一方、次戦のサントリーレディス(6月8~11日・六甲国際GC)を含め、日米の試合で「最後に勝って終わりたい」と有終Vを宣言した。1977年の全米女子プロの樋口久子以来、日本女子2人目の海外メジャー制覇も諦めない。

 ◆藍に聞く

 ―引退を決断した時期。

 「昨夏。リオ五輪でプロになって初めて3週間の休みがあって。ゆっくり自分の気持ちを考えた」

 ―自分と向き合えなくなった瞬間。

 「(12年以降)パターイップスみたいになった。そこが逆に頑張れたきっかけ。パットは得意だったので、どうしても乗り越えたい!と。最終的に今季の優勝につながってくれたら」

 ―休養の選択肢は。

 「ないですね。第一線で結果を残すためには、ものすごいエネルギーが必要。プロでやる以上は甘い世界ではないので」

 ―最後の試合の予定。

 「まだ決めていないのが現状。1試合、1試合、丁寧にプレーして早く勝ちたい。エビアン選手権まで戦って、考えたい」

 ―両親にはいつ報告を。

 「昨年のエビアン選手権後。驚きはなく温かく受け入れてくれた。自分が幸せだと思う道を行きなさい、と言ってくれた。すごくうれしかった」

 ―思い出の一打は。

 「09年のエビアン選手権で、米ツアー初優勝した時の18番でのプレーオフでのティーショット。ドライバーのスランプを乗り越えた瞬間だった」

 ―どんな15年間だった。

 「これ以上ないゴルフ人生だった。引き際の寂しさより、感謝の気持ちを胸に戦えるのはすごく幸せ」

 ―ゴルフとは。

 「人生において大切なもの。プロになって14年、内容の濃い時間を過ごしてきて人生が豊かになった」

 ―日本の若手へ。

 「ゴルフのうまい選手が多い。今の日本の女子ゴルフは、いいところにいると思う。(隆盛は)永遠には続かない。感謝の気持ちを持ち続けることを大切にして、ブレずにやってほしい」

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