米女子プロゴルフツアーのメジャー第2戦、全米女子プロ選手権は29日から4日間、イリノイ州のオリンピアフィールズCC(6588ヤード、パー72)で行われる。今季限りで現役を退く宮里藍(32)=サントリー=は27日、プロアマ戦で調整。通算50戦目となるメジャーで1977年全米女子プロの樋口久子以来、日本女子で40年ぶり2人目の栄冠獲得に挑む。
奈紗と練習R 節目の大舞台で、日本人40年ぶりの快挙達成を目指す。報道陣から通算50戦目のメジャーであることを知らされた藍は「今週が? へぇ~、少ないっすね。気分的には200(試合目)ぐらい。意外とまだひよっこです」と気負いなく笑った。
19歳だった04年の全英女子オープンがメジャー初挑戦。米ツアーに本格参戦した06年の全米女子プロ選手権は最終日に首位タイで出て3位となり、頂点は近いと期待された。ただ壁は厚く、世界ランク1位で臨んだ10年の同大会で3位になって以降はトップ3に入れていない。
26日に会場入りし、この日は畑岡奈紗とアウト9ホールを練習ラウンドした。03年に男子の全米オープンを開催した会場は、全体的に平坦な林間コース。「距離は長いし、グリーンも難しい。メジャーの難しさ、戦略性がすごく好きという感じで回った」と意欲的だった。「ポアナ(芝)が入っていて、それがくせ者」と不規則に転がり、速さや曲がり方が変わるグリーンを警戒した。
5月末に今季限りでの引退を表明してから初のメジャー。今は「いろんなことを捨てて一打に集中できる」とラストスパートへ気力も高まり、幼い頃からの夢である「メジャー制覇」を残り4戦に懸ける。「最後までチャレンジする。チャレンジ精神の豊富さは多分、誰よりもあると思います。結果を残したい」と明るい笑顔で意気込んだ。
◆1977年6月の全米女子プロ選手権 米ツアー遠征8年目で31歳の樋口はサウスカロライナ州ベイツリー・プランテーションCC(5766ヤード、パー72)で、初日は71の4位発進。2日目に67をマークして首位に浮上。3日目は72でパット・ブラッドレー(米国)、ジュディ・ランキン(米国)と3人が首位に並んだ。最終日は5バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダーで2位に3打差をつけ男女を通じてメジャー初優勝(米ツアー2勝目)。優勝賞金2万2500ドル(当時のレートで約630万円)を獲得した。今年の優勝賞金は52万5000ドル(約5880万円)。