◆男子プロゴルフツアー メジャー第3戦 第146回全英オープン第3日(22日・英ロイヤルバークデールGC=7156ヤード、パー70)
【サウスポート(英国)22日=榎本友一】10位で出た松山英樹(25)=LEXUS=は5バーディー、1ボギーの66。自身メジャー第3日の最少ストロークで、首位と7打差の通算4アンダーの5位に浮上した。全英では10打差逆転劇もあり、得意の最終日に悲願のメジャー制覇へ反撃に転じる。15年のマスターズ、全米オープン王者のジョーダン・スピース(23)=米国=が11アンダーで初日からの首位を守り、3つ目のメジャータイトルに王手を掛けた。
穏やかな好天に恵まれたムービングデーに、松山は首位を追いかけた。17番。6メートルのバーディーパットをねじ込み、右拳を突き出して今大会初のガッツポーズ。最終18番は7メートルのバーディーパットが左に外れ、天を仰いで悔しがった。後続のスピースが伸ばして7打差に開いたものの「少しはチャンスはあると思うし、明日の天気次第でも変わってくると思う。すごく楽しみな1日になるかな」と前向きな言葉を並べた。
5年連続5度目の世界最古のメジャーで、思い切った策で流れをつかんだ。ボギーが先行した直後の5番だ。ティーグラウンドが通常よりも前方の310ヤードに設置され、果敢にドライバーを握った。「ドンッ」。左からの風に高弾道でぶつけ、右林を越えてピン右下10メートルへ1オン。歓声を受け、2パットのバーディーで流れを変えた。続く2ホールは得意のアイアンで攻めた。6番は左下2・5メートルにつけ、7番は右2メートルを刺して3連続バーディー。今大会最多の日本人ギャラリーからも声援を浴びた。
前日の雨でグリーンは柔らかく、伸ばし合いとなった。松山も世界ランク2位の真価を発揮して第1Rに続き、第3Rでも自身のメジャー最少ストローク記録を更新。3日間で全体2位の13バーディーを量産する要因はパットだ。距離感が抜群で3日間で計83パットは全体12位。メジャー制覇への課題だったグリーン上で進化を見せている。
メジャー最終R最大逆転Vは99年全英のローリー(英国)の10打差だ。松山は第3R後、約1時間練習場でショットを修正した。最終Rは曇りで風が強い予報。第3Rでメジャー最少記録を更新する62をマークしたグレースと同組で相乗効果も期待できる。6月の全米オープンを含め、メジャー最終Rで4度ベストスコアをたたき出した松山が、歴史的逆転劇に挑む。