池田勇太が今季初V 連続賞金王へ「一気に行きます」


ハウスキャディーの山崎ありささんと優勝カップを手に笑顔を見せる池田勇太(カメラ・谷口 健二) 

 ◆男子プロゴルフツアー RIZAP・KBCオーガスタ最終日(27日、福岡・芥屋GC)

 首位タイで出た昨季の賞金王・池田勇太(31)=フリー=が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算18アンダーで今季初優勝。美人ハウスキャディーとの初タッグで昨年11月以来のツアー通算17勝目で、9シーズン連続優勝は歴代5位に並んだ。「ここから一気に頂点にいきますよ」と1973年のツアー制施行後、史上5人目の2年連続賞金王獲得も宣言。プロ13年目で悲願の初Vを目指した上井邦裕(34)=三好CC=は、3打差の2位だった。

 真夏の福岡での激闘を終えて、日本ゴルフ界の“若大将”が9年連続の美酒に酔った。強い日差しで真っ黒に日焼けした池田は、優勝会見場でビールをうまそうにゴクゴクと飲み干した。「ボギーを打たなかったのが幸いなのか。ここで勝てたのはうれしいけど、自分の中では非常にさらっとした感じ。さあこれからだぞ、見てろよ、という感じです」と09、15年に続く大会3勝目の味を説明した。

 序盤はパットを決めきれず、上井に2打差を許した。ただ、得意のアイアンショットが好調でパーオン率は88・89%で全体1位。6、8、9番でバーディーを重ねて上井をとらえると、11番で2メートルを沈めて単独首位へ浮上。以降は1度も首位を譲らなかった。

 昨季3勝で初の賞金王に輝いた。オフは海外ツアー参戦を見据えて飛距離アップに努めた。博多市内のジムで背筋や両腕の筋トレに励み、体重は7キロ増。今季は4大メジャーにフル参戦もすべて予選落ち。だが、日本ツアーでは進化した強さを見せつけた。昨年282・81ヤードで28位だった平均飛距離は今季300・21ヤードで6位まで上昇。今大会もパー5で12個スコアを伸ばして見せた。

 “勝利の女神”もいた。昨年まで約7年半、専属キャディーの福田央氏とコンビを組んできた。今大会はコース勤務の山崎ありささん(21)との初コンビ。「女優の土屋太鳳さんに似てると言われます」という美女とラウンド中も話を絶やさず「面白かったね。ハウスキャディーで勝ったのは初めてです」と感謝した。

 これで賞金ランク15位に浮上。「ここから一気に頂点へいきますよ。手応えも感じられる勝ちだった」。卓越した技術に世界規準のパワーも備わった池田。ほろ酔いのその目には73年のツアー制施行後では尾崎将司、青木功、中嶋常幸、片山晋呉以来5人目となる2年連続賞金王がはっきりと映っていた。(榎本 友一)

 ◆美人山崎キャディー来年もお願い

 山崎キャディーは、表彰式の優勝スピーチで池田に呼ばれて大ギャラリーに紹介された。「うれしいよりも、驚きましたよ」と苦笑い。博多工を卒業後、芥屋GCに就職。キャディー歴4年目で、今年4月に池田が合宿した際に初めてコンビを組み「今大会のご指名をいただいた」という。「風とグリーンは一緒に読んで確認し合った」と笑顔。池田は「若いのにすごく一生懸命。来年もお願いしないとね」と感謝していた。

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