◆女子プロゴルフツアー 報知新聞社後援ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン最終日(24日、宮城・利府GC=6551ヤード、パー72)
首位で出た、昨年の日本女子オープンを史上初めてアマチュアで制した畑岡奈紗(18)=森ビル=が8バーディー、1ボギーの65をマーク。前週引退した宮里藍(32)より8日早い史上最年少の18歳254日でツアー2勝目を挙げた。米ツアーで苦闘した今季、藍からの金言を胸に、藍が初優勝した大会で復活Vのプロ1勝。後継者のバトンを受け継いでみせた。
幼少時から憧れてきた藍の記録を塗り替えた。4打差首位で迎えた最終18番。畑岡のバーディーパットは5メートルの下りのスライスラインを転がりカップへ。両手を突き上げ、ツアー史上最年少での2勝目をかみしめた。「安心と、すごくうれしい気持ちがあります。前半で4つ伸ばせたのが大きかった」と目を潤ませた。
勝因はグリーン上だ。絶頂時の藍のように、起伏のある高速グリーンを読み切り、前日に続く全体最少の25パット。1、2番で2メートル、7番で7メートル、8番で2メートル半、9番で50センチを沈めて伸ばした。メジャーの前週でキム・ハヌルら韓国勢不在の中、圧倒的な強さを見せた。
日本人最年少で今季参戦した米ツアーで初の不振に陥った。4月の大会でアプローチをシャンク。以降「怖くなって」得意のショットも乱れ、18戦で予選通過は6戦のみと低迷。コースに通うのがつらく、ホームシックにも陥るなか、支えてくれたのが藍だった。
練習をともにした6月のこと。「最後は自分を信じてやること」―。10代でのアマチュアVから米ツアー参戦と同じ道を歩んだ大先輩の言葉。「常に挑戦者の気持ちで攻め続けることが大事」と気持ちを奮い立たせ、米ツアーは賞金ランク136位に沈んだが、藍が1勝を刻んだ大会で復調を遂げた。「長い間お疲れさまでした。いろいろと助言ありがとうございました。おかげで勝つことができました、と藍さんにLINEしたい」と晴れやかな笑顔をみせた。
日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長(54)は「藍さんと似た道をたどっていますね」と話した。この優勝で国内で1年間のシードを確保。LPGAの正会員に申請する考えで、今季残りの日本ツアーへの出場も可能に。ただ「(来季は)7割ぐらい米国にあります」と11月27日から米ツアー最終予選会を受験予定。来年も日米24勝を挙げた藍の背中を追って、挑戦を続ける意向だ。(榎本 友一)
◆畑岡 奈紗(はたおか・なさ)1999年1月13日、茨城・笠間市生まれ。18歳。11歳で本格的にゴルフを始め、2013年関東ジュニア選手権2位。中学2年で国内男子ツアー48勝の中嶋常幸が主宰する「トミーアカデミー」の1期生に。14年日本ジュニア2位。15、16年世界ジュニア選手権優勝。15年国体女子V。16年日本女子アマ2位。16年全米女子アマ8強。158センチ、61キロ。家族は両親と妹。血液型A。