星野陸也、崖下7メートルからチップインバーディー


16番でチップインを決め喜ぶ星野陸

 ◆男子プロゴルフツアー トップ杯東海クラシック第2日(29日、愛知・三好CC西C)

 10位で出た星野陸也(21)=フリー=が6バーディー、3ボギーの69で回り、通算6アンダーで首位と3打差の7位に浮上した。ツアー屈指の難易度を誇る“魔の16番”で、約7メートルの崖下からチップインバーディー。片山晋呉(44)=イーグルポイントGC=と回った練習ラウンドの教えを生かし、初Vへ好位置につけた。小平智(28)=Admiral=、金亨成(キム・ヒョンソン、37)=韓国=が9アンダーで首位。

 星野陸がミラクルバーディーを決めた。16番パー3の第1打は、約7メートルの崖下に転がり落ちる大ピンチ。ピンの先端しか見えない場所から59度ウェッジを握り、崖上部に当てた球は、グリーンに乗ってそのままカップイン。「落ちた時は『アーメン…』って感じだった。練習通り。神ってましたね」と自画自賛のショットだ。

 狭いグリーンの右にバンカー、左には巨大な崖。昨季は平均ストローク3・301とパー3ではツアー4番目の難易度だった。18番でも残り12ヤードからチップインバーディーで7位につけた。

 好アプローチの裏には片山の存在があった。26日の練習ラウンド。「お前はどうせ崖下に落とすんだから練習しとけ」と言われ、危機の脱出法を模索した。片山は02、03年に崖下から2年連続でダボ。報道陣から星野陸がバーディーだったと聞くと「マジ!? あそこから入ったの!? すごいな。大したもんだよ。俺の21歳の時より5倍くらいうまい」と絶賛した。

 星野陸は2週後の国内メジャー・日本オープンの出場権がない。大舞台まで今週を含めて2試合。「出るには優勝するしかない。早く勝ちたい」。首位とは3打差。初Vの壁も一気に飛び越えていく。(浜田 洋平)

 ◆星野 陸也(ほしの・りくや)1996年5月12日、茨城・笠間市生まれ。21歳。6歳でゴルフを始め、茨城・水城高では2、3年時の関東ジュニア連覇。16年7月に日大を中退し、8月にプロ転向。12月の最終予選会をトップ通過し、今年4月に下部ツアーで優勝。ツアー自己最高は1月のSMBCシンガポールオープン6位。186センチ、70キロ。家族は両親と姉、妹。

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