９番、バーディーパットを外し悔しがる畑岡。通算３アンダーで首位タイ発進（カメラ・谷口 健二）
◆女子プロゴルフツアー ＮＯＢＵＴＡマスターズＧＣレディース 第１日（１９日、兵庫・マスターズＧＣ＝６５０７ヤード、パー７２）
３週前の日本女子オープンで４０年ぶり２人目の大会連覇と２週連続Ｖを果たした畑岡奈紗（１８）＝森ビル＝が５バーディー、２ボギーの６９で回り、３アンダーで首位発進した。首位スタートはプロ転向後８試合目で初。１８歳２８２日でツアー通算４勝を挙げれば、宮里藍の１９歳１日を超える史上最年少記録だ。同組で回った上田桃子（３１）＝かんぽ生命＝からの“料理教室のススメ”を胸に米ツアー２年目への準備を進めつつ、快挙達成を狙う。
世界を見据える１８歳には、物足りないスタートだった。畑岡は１２番で２メートル半、１４番で３メートル、３番で３メートルにつけて伸ばすなど、雨の中でも好ショットでスコアメイクしたが「もったいないボギーが２つあった。そこを拾えたら満点だった」。第２打をラフに入れ、アプローチで寄せきれずに落とした２、１６番に悔しさを募らせた。
とはいえ、アマ時代の２０１５年１０月の樋口久子・ポンタレディス以来、プロ転向後は初の首位発進。本格参戦１年目だった米ツアーでは１８戦で予選通過６度、賞金ランク１３６位と言葉の壁や慣れない環境に苦戦したが、国内では６戦２勝と強さを発揮してきた。“藍超え”となる最年少１８歳２８２日での４勝目へ「４日間で最低でも１０アンダー」と上だけを見据えている。
ラウンド中は先輩の意外な趣味を聞いた。０８年から約５年間米ツアーを主戦場とした上田と同組。「料理教室に行ってるよ」と得意げに話す上田に対し「ほとんど料理をしない。試合に行くと時間がなくて」と報道陣に１８歳の悩みを明かした。現地では他の選手とシェアハウスで過ごす時もある。「そういうことでも友達をつくれる。私もちょっと覚えたい。煮物とか作れたら」。日本食で女子力を磨き、コース外でも居場所をつくれたら最高だ。
１１月末には来季の米ツアー出場権を懸けた最終予選会（米フロリダ州）を受験。「次はアプローチでうまく拾えるようにしたい」。勝利への熱い欲は、じっくりコトコト煮えたぎっている。（浜田 洋平）