◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権第2日(27日、兵庫・ABCGC=7217ヤード、パー72)
63位で出た石川遼(26)=カシオ=は4バーディー、4ボギーの72と伸びず、通算1オーバーの65位で2008年以来となる3戦連続予選落ちに終わった。スタート前に尾崎将司(70)=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ=に助言をもらい、即効性こそなかったが少しだけ復調。ジャンボと回った永野竜太郎(29)=フリー=が、64の11アンダーで単独首位に浮上した。
石川のショットは、またも右に曲がり安定しなかった。フェースが開く癖を直しきれずに予選落ち。「周りから見たら全然進歩していないけれど、ほんのちょっとだけ良くなった」と、プラス要素を探した。
過去最大級のスランプで、ジャンボに手を差し伸べられた。スタート前の練習場。「ドライバーで打ってみろ」。早朝の1発目だったが思い切り振った。スイングの「間」の取り方を指摘され、ラウンド中も素振りで意識づけ。自分よりスタート時間が10分早い大先輩が、ギリギリまで見てくれた。突貫工事は実らなかったが、ミスの幅が少なくなり「感謝しかない」と、頭を下げた。
ジャンボは帰り際、「遼は今日も曲がったのか?」と気にかけた。「そりゃ急にはな。ドライバーイップス的なものもある。悪いイメージを消すのは厳しい」。2人は2010年にもジャンボ邸で合宿した間柄。前週、米ツアーの出場権を失った石川と久々に再会し、「お前は誰だ?」とイジリつつ、「遼は頑張らないかんだろう」と復活を願っている。
予選落ちの選手はすぐに帰路につくことが多いが、石川は最後の1人になっても日暮れまで動画を撮りながら修正に励んだ。「苦しいけれど残り試合で良くしていきたい」。現状打破へもがき続ける。(浜田 洋平)