8月下旬にスタートした、高3女子ゴルファーとのゴルフキャンプ。あっという間に2ヶ月が経ち、キャンプは残り1ヶ月となりました。今回の合宿では、前回紹介したニュージーランドU19を初めとして、ヘアウッドオープン、カンタベリーマッチプレーとWAGR対象のトーナメントに挑戦してもらっています。
先週のカンタベリーマッチプレーでは見事に準優勝を果たしたふうかさん。今は来週から始まるニュージーランド アマチュア選手権に向けてトレーニングと練習に励んでいる最中です。
今回は、そのふうかさんが見て感じたニュージーランドの様子を皆さんに伝えてもらおうと思い、NZアマの練習ラウンドをしながら話を聞かせてもらいました。
これから海外へ出てゴルフをしてみたいジュニアのみんなには、きっと参考になる話があると思いますよ。
JGNZ: ふうかさん、カンタベリーマッチプレー準優勝おめでとう。決勝戦、最終18番のバーディーパットは惜しかったね。
ふうか: 有難うございます。あのパットは入ったと思ったんですけど。お互いに3mぐらいのチャンスが来て、私の方が少しだけ遠くて。相手がしっかりと決めたのは、さすがだと思いました。 でも、まさか自分が決勝まで行けるなんて思っていなかったですし、決勝が始まる時も、とにかく一方的な試合にならないことだけを祈って、今の自分に出来ることをしっかりやろうと思いました。負けて悔しい気持ちはもちろんありますけど、相手はジュニアのニュージーランド代表ですし、そういう実績のある子と対戦したマッチで最終ホールまで行けたのは、とても自信になりました。
JGNZ: ジュリアナ(決勝の対戦相手)のコーチもお父さんも、ふうかさんのショートゲームを絶賛していましたよ?
ふうか:ほんとですか? 褒めてもらえて嬉しいです。ニュージーランドに来てから、ショートゲームの練習には一番力を入れているので、その成果を少しは出せたのかな、と思います。
JGNZ: マッチプレー、初めてだって言ってたよね?
ふうか:本当の本当に初めてです。日本だとマッチプレーの試合自体ほとんど無いので。先週はマッチプレーも初めてでしたけど、予選が36ホールだったじゃないですかぁ。わたし、1日に36ホールをプレーするのも初めてだったんです。準決勝と決勝も同じ日だったし、しかも準決勝なんてプレーオフになって19番まで行っちゃうし、もう初めて経験することだらけで、最後は心も体もボロボロでした。(笑)
JGNZ:本当にお疲れ様だったね。ところで、そもそも、どうしてニュージーランドに来ることになったの?
ふうか: 今年の5月頃に、お父さんが突然「お前、ニュージーランドへ3カ月合宿に行ってこい」って言いだしてぇ。私、絶対に嫌だったんですよ、最初。ニュージーランドが嫌とかそういうんじゃなくて、いきなり3カ月ですよ!知らない場所に1人で。喜んで「行く、行くー!」って言う子は、いないですよね~、普通。
JGNZ: でも来ちゃった。
ふうか: はい。うちのお父さん、何でも突然言い出す人なんですね。私、こういう話を聞き流すのは結構得意で(笑)、今回もちゃんと相手にしてなかったんです。でも、父があまりしつこいから、「じゃぁ1カ月ぐらいなら行ってもいいかなぁ」ってこっちが折れたら、「最短のプログラムが3カ月だ!」って父に思いきりウソつかれて。(笑)
なんだか、結局は父に上手いこと丸め込まれちゃいました。それで、出発の1ヶ月前に東京で小堀さんと会うことになって。その頃には、すっかりニュージーランドへ行くのが楽しみになっていました。
JGNZ:で、実際に来てみて2ヶ月経ったけど、正直どう?ニュージーランド。やっぱりホームシックとかある?
ふうか:私、この間もお父さんにLINEで謝ったんですけど、こっちに来てほんとーにホームシックが無いんです。(笑)もう、ヤバイぐらいに毎日楽しくて、英語もロクに喋れないのに、自分でも「何でホームシックにならんのやろ?」って感じなんです。あと1ヶ月で日本に帰らなきゃいけないんですけど、まったく実感が湧かないんで、ある意味困ってます。
JGNZ:あはは、帰りたくないの?
ふうか: いえ、帰りたくない訳じゃないんですけど。やっぱり友達とかにも会いたいし、美味しいお寿司も食べたいし、とかそういうのはあります。でも、毎日のゴルフの楽しさを考えると、やはりこっちに居たいですよね。12月からは、また日本の打ちっ放しで1人で練習することを考えるとちょっと寂しいです。でも、美味しいものたくさん食べて日本でも頑張ります!
JGNZ:あ、やっぱり、こっちの食事合わない?
ふうか: あ、そういう意味じゃないです、全然。ホストファミリーでは、ほとんど毎日お肉なんですけど、私、お肉大好きですし。ロビンさん(ホストマザー)の味付けも美味しいし。でも唯一ダメなのが、ローファットの牛乳ですね。「普通の牛乳にして」って私が言えばいいだけなんですけど、なんか遠慮しちゃって言えてないです。あと、1ヶ月なので、このまま我慢します。(笑)
JGNZ:ふうかさんのこっちでの1日のスケジュールと練習内容なんかを、簡単に紹介したいと思うんだけど。
ふうか: いいですよ。まず朝は、ジョギングと軽いトレーニングを自分でこなして、あとはお昼まで英会話の個人レッスンを受けたり、日本から持ってきた宿題を少しづつ進めています。お昼から夕方までがメインの練習時間で小堀さんとマンツーマン。内容はショートゲームとパットの練習がメイン(ですよね)。放課後に一磨くんが合流して、ショットを打ったり、コースに出てラウンドしたり。夕方はジムで、日本のトレーナーさんが作ってくれたメニューを1時間ほどかけてやっています。ホームステイに帰ったら、もう晩御飯の時間なので、食べて、シャワー浴びて、寝る。夜はそれだけです。(笑)
JGNZ :もうこれ以上頑張れないぐらいに、毎日頑張ってるもんね。
ふうか:ですかね!? 自分では「ゴルフって楽しいなぁ」っていう感じであっという間に時間が過ぎていくので、ちょっと焦ってますけど。(笑) でも、ニュージーランドに送り出してくれたお父さんとお母さんには本当に感謝しているので、期待に応えたい、っていう気持ちは常にあります。こんなこと、親には言えないですけど。
JGNZ:じゃあ、来週のニュージーランド アマも楽しみだね。目標は?
ふうか:自分のゴルフをするだけです!とかカッコイイこと言いたいんですけど、実際は「マッチプレーまで進めなかったらどうしよう。。。」とか既にビビリ入ってます。(笑)
でも、この3ヶ月の締めくくりとなる試合なので、悔いのないように思い切りプレーしたいです。まずは、マッチプレーに進んで、出来ればベスト8まで行けたらいいな、とは思っています。
JGNZ : このコラムを読んで、「私もニュージーランドへ行ってみたいなぁ」と思ったジュニア達にアドバイスをもらえますか?
ふうか : えーそんなー、私がアドバイスだなんて。何もないですよ。ニュージーランドのゴルフはチョー楽しいですよー!、だけじゃダメですか?(笑)
◆小堀亮三
1966年生まれ、神奈川県出身。中央大学仏文科を3か月で中退後、オフロードバイクのレースに参戦するために単身渡米、その後10年に渡り住み続けることとなる。UCSD卒業(カリフォルニア大学サンディエゴ校)。ニュージーランドの広大なオフロードトレイルライディングに魅せられ、2007年、妻、娘(当時8歳)、息子(当時5歳)の家族4人でニュージーランドへ移住し1年と半年後に永住権を取得。ふとしたきっかけでニュージーランドがゴルフ天国であることにも気づき、自身もどっぷりとはまり腰を痛めることに。今はゴルフに熱中する子ども達をサポートするかたわら、ジュニアゴルフNZを運営。
職歴 オフロードバイク業界でイベント企画運営をメインに輸入卸売、コラム執筆等、多岐に渡り30年。が、ゴルフに熱中する子ども達の影響と数々の幸運な出会いにより、一念発起、50歳でジュニアゴルフNZを開業する。現在はバイクとゴルフ2足の草鞋を履き、日本とニュージーランドを行ったり来たりの生活を送っている。
活動拠点 ニュージーランドでは南島のランギオラ。日本では群馬県の浅間高原、北軽井沢
趣味 家庭菜園とブログの更新(http://juniorgolfnewzealand.blog.jp)