◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス第3日(18日、愛媛・エリエールGC=6550ヤード、パー72)
15位から出た上田桃子(31)=かんぽ生命=が自身初の1ラウンド(R)2イーグルなどで自身4度目のベストスコア64をマーク。通算12アンダーで首位と2打差の2位に浮上した。今季2勝で賞金ランクは6位。10年ぶり2度目の賞金女王には今大会を含め2戦2勝が最低条件だが、実現すれば史上最大となる5555万1501円差の逆転。最終日も「逆転ホームラン」を狙って果敢に攻める。
17番パー5。上田は残り200ヤードの第2打を3ユーティリティーで振り抜き、最後は2メートル半を沈めてガッツポーズ。10番では120ヤードの第2打をピッチングウェッジでカップインさせており自身初の1R2イーグルだ。「どこかで出ればいいなと思っていた。運みたいなもの。ラッキーでした」。自身ベストスコアに並ぶ64の猛追で2位に浮上し、表情を緩ませた。
賞金ランク6位で逆転女王には2連勝が最低条件。今週勝ち、同首位の鈴木が単独2位以外なら、10年ぶり賞金女王に向け次週の最終戦・ツアー選手権リコーカップに望みをつなぐ。開幕前に「一発逆転ホームランといきたい」と宣言し「今日は(イーグルを本塁打に例えて)2発出ましたね」。9月は賞金ランク10位で、当時首位のキム・ハヌル(韓国)と5555万円差だったが、史上最大額の逆転が見えてきた。
今大会は思い出の詰まった舞台。米ツアー挑戦を終えた13年には、肋(ろく)軟骨骨折を抱えながら3位でシード圏内に滑り込み涙した。この日は当時最終日最終組で一緒に回り優勝した森田理香子(27)と同組のプレー。4年前の18番、シード当落線上だった上田は安全策でパーを取るしかなかったことを思い出し「今年は最終ホールまで攻め抜きたい」とリベンジを誓った。
これまで通算13勝中7度が最終日の逆転で最大は3打差(2度)。首位・全美貞(韓国)とは2打差で「あと1個イーグルが欲しい」。連日のビッグプレーで逆転ホームラン物語をつなげる。(岩原 正幸)
◆逆転賞金女王の最大差額
これまでの最高は09年9月(23試合終了時)に3位だった横峯さくらが首位の諸見里しのぶとの4389万7868円差を逆転した例がある。今回、9月(27試合終了時)に10位だった上田が首位のキム・ハヌルとの5555万1501円差を逆転すれば記録を更新する。(順位はすべて当時)