【日本S】45歳・久保谷健一、最年長3冠へ3差6位


18番のティーショットを打ち終えグリーンに向かう久保谷。通算4アンダーで6位に浮上した(カメラ・今西 淳)

18番のティーショットを打ち終えグリーンに向かう久保谷。通算4アンダーで6位に浮上した(カメラ・今西 淳)

 ◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー 今季メジャー最終戦・日本シリーズJTカップ第3日(2日、東京・東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 17位から出た久保谷健一(45)=フリー=が1イーグル、5バーディー、2ボギーのベストスコア65で回り、通算4アンダーで3打差6位に浮上した。勝てば2002年日本プロ、12年日本オープンに続く史上最年長45歳267日での日本タイトル3冠。「勝ったらゴルフを辞めてもいい」と話していた大会で大記録達成に挑む。

 ひょうひょうと回るベテランに、観客の心も引きつけられた。久保谷は1番でチップインバーディーを決めると、6番は260ヤードの第2打を3ウッドで70センチにつけイーグル。「フェアウェーからみんなアイアンなのに、スプーン(3W)持って気持ち悪くてしょうがない。たまたまライン乗って入りそうだった」。独特のボヤキ節も健在だ。

 第2日まではV争い圏外の17位で「アマ以下のショット。病気だと思ってやるしかない」と自虐コメントを発するなどショットが絶不調。月曜日にコースへ一番乗りした執念が実ったが「たまたま。いまだにゴルフが分からないと言ってるうちに50歳になっちゃうよ」と真顔で語った。

 勝てば史上最年長45歳267日での日本タイトル3冠となるが「優勝? そんなこと全然意識しない。とにかく明日アンダーパーで回れるように」。持病を抱える腰の状態は良好だが、夏場は膝を曲げてボールを拾うほど悪かった。それでも「腰の痛みをかばって振るにはどうしたらいいか、つい研究しちゃうんだ」。飽くなき探求心が現役生活を支えている。

 4月のパナソニックオープンで5年ぶりに優勝した後は「日本シリーズに勝ったら辞めてもいい」と明かしたが、この日は「早く焼き鳥屋の店主にでもなりたいけど、やらざるを得ない雰囲気なんだよね」と、再びボヤいだ。年内は残り1ラウンド。「オフは犬と遊ぶよ」と笑うベテランが無欲で頂点を狙う。(岩原 正幸)

最新のカテゴリー記事