女子プロゴルフツアーのアース・モンダミンカップは21日から4日間、千葉・カメリアヒルズCC(6620ヤード、パー72)で行われる。
ツアー屈指のサッカー通の渡辺彩香(24)=大東建託=は、サッカーのロシアW杯1次リーグ日本―コロンビア戦(19日)で尊敬するMF本田圭佑(32)=パチューカ=が決勝ゴールをアシストしたことに感激。大会前日の20日、大きな刺激を受けた渡辺はツアー前半の最終戦で3年ぶりの優勝を目指すことを誓った。
「有言実行」を信条とする本田をリスペクトする渡辺は前夜、開催コース近くのホテルの部屋にこもり「集中してテレビ観戦しました」。さらに集中力が増したのはMF香川真司(29)=ドルトムント=に代わり、本田が途中出場した後半25分。その3分後、本田の左CKをFW大迫勇也(28)=ブレーメン=がヘディングで合わせ、決勝ゴールを奪った。「それまでCKからチャンスはなかったと思いますけど、本田さんのCKは見事でしたよね。さすがです。日本が勝って良かったし、とても面白いゲームでした」と満面の笑みで話した。
渡辺はサッカーどころと言われる静岡県の出身だが、幼少時には特に興味がなかったという。サッカーの魅力と醍醐味を知ったのは、本田が大ブレークした2010年の南アフリカW杯。当時、プロを志す高校生だった。「強気な発言をして、その通りに結果を残した本田さんの大ファンになりました。本田さんが強気な発言をするのは、その陰で徹底的にトレーニングで自分を追い込み、絶対の自信を身につけているからだと思います。その姿勢に同じアスリートとして尊敬します」と話す。
172センチの長身を生かし、ツアー屈指の飛距離を誇る渡辺は、14年アクサレディスの初優勝をはじめツアー通算3勝の実績を持つが、今季は、これまで賞金ランク55位とやや出遅れている。サッカー日本代表と本田の奮闘は、渡辺にとって大きな“アシスト”となることは間違いない。
ツアー前半最終戦の今大会は賞金総額が1億8000万円で、通常の大会のほぼ2倍の“ボーナスステージ”。復調のきっかけをつかむには最高の舞台だ。さらに昨年より3ホールで距離が延長され、18ホール計6620ヤードの長いコースとなったことは渡辺にとって有利。「飛距離を生かして、優勝を目指して頑張ります。ただ、このコースはラフが長いので、そこは要注意です」と表情を引き締めて話した。
日本のW杯1次リーグ第2戦、セネガル戦は24日24時キックオフ。今大会の最終日の深夜に行われる。「次の日は休みなので、万全の態勢で、集中して応援します。この大会で、いい結果を残して、気分良くテレビ観戦したいですね」と渡辺は笑う。
昨年の賞金女王で今季も賞金ランクを独走する鈴木愛(24)=セールスフォース=は先週のニチレイレディスで早くも今季4勝目を挙げて絶好調。昨年大会の覇者でもあり、今大会の大本命だ。高額賞金大会には鈴木をはじめ、賞金ランク上位選手が軒並み参戦する。ただ、それでも渡辺は、サッカー日本代表が下馬評を覆したように、2015年の樋口久子Pontaレディス以来、3年ぶりのゴール!(優勝)を狙うつもりだ。
◆渡辺 彩香(わたなべ・あやか)1993年9月19日、静岡・熱海市生まれ。24歳。10歳からゴルフを始める。2012年3月に埼玉栄高を卒業し、同年7月のプロテストに一発合格。ツアー本格参戦の13年に初シードを獲得し、以来、5年連続でシード保持。14年アクサレディスの初優勝をはじめツアー通算3勝。172センチ、65キロ。