イチゴ育ちの吉川桃、両親に感謝の1打差暫定4位


9番でティーショットを放ち打球の行方を追う吉川桃。初日1アンダーで暫定4位の好スタートを切った

9番でティーショットを放ち打球の行方を追う吉川桃。初日1アンダーで暫定4位の好スタートを切った

 ◆女子プロゴルフツアーメジャー第1戦 ワールドレディスサロンパスカップ第1日(3日、茨城・茨城GC西C=6715ヤード、パー72)

 雷雲接近の影響でスタートが45分遅れたため、24選手が日没順延となった。難コースに加え、強風の厳しい条件の中、美人ルーキー・三浦桃香(19)=フリー=が3バーディー、1ボギーの2アンダー、70で回り、暫定ながらメジャー史上最年少の首位スタート。メジャー2番目の年少優勝を目指す。新海美優(22)=広島CC=に加え、上田桃子(31)=かんぽ生命=も暫定首位。吉川桃(19)=フリー=も1打差の暫定4位と健闘し、“桃”たちが華々しく咲いた。

 「桃香」だけではない。黄金世代、19歳の「桃」が1打差の暫定4位発進と存在感を見せた。吉川は昨夏のプロテスト合格後、初のメジャー出場で前半9ホールを全て1パットでしのぎ、4バーディーを量産した。強風の後半に3つ落としたが、71で回り「マネジメントもうまくいき、パッティングのリズムも良かった」とうなずいた。

 名前の桃ではなく、自然豊かな栃木でイチゴを食べてすくすくと育った。吉川が小学校に入学する前、父・繁典さん(45)が脱サラし、一家でイチゴ農園を始めた。「とちおとめ」「スカイベリー」を生産し、毎年9月には両親、妹と4人で苗2万本を定植する。地道な作業で「精神力が強くなった」(父)という。

 11歳で競技を始めた。東京・日出高入学時に「娘をプロにさせるなら、中途半端に農家は続けられない」と、父はビニールハウス10棟を擁した農園を閉鎖。ハウスクリーニング業に転職し、サポートに回った。「両親がゴルフを支えてくれて感謝している」と吉川。この日は見守った家族の前でプレーで応えた。

 予選会49位の資格で出場試合数は限られる。前週は同期・新垣比菜(19)の初Vを待ち構えて祝福した。「うれしかった。自分も続きたい」。ルーキーは、甘~い夢を思い浮かべた。(岩原 正幸)

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