新人・小祝さくら、3差3位に浮上“黄金世代”が大会最年少V届ける


8番ティーグランドで、桜の花びらがプリントされたヤーデージブックを開く小祝さくら

 ◆女子プロゴルフツアー メジャー第1戦 ワールドレディスサロンパスカップ第2日(4日、茨城・茨城GC西C)

 新人の小祝さくら(20)=ニトリ=が3バーディー、2ボギーの71で回り、通算2アンダーで首位に3打差の3位に浮上。通算3勝の畑岡奈紗、同1勝の勝みなみ、新垣比菜(ともに19)がそろう黄金世代の一員が、2015年の田仁智(チョン・インジ)の20歳273日を上回る20歳21日の大会最年少優勝を目指す。同世代で第1ラウンド首位の三浦桃香(19)=フリー=は76と崩れ2オーバー21位。

 ボギー直後でも、小祝の気持ちは乱れなかった。冷たい向かい風が吹きつけた難関の最終9番。グリーン手前から1メートルに寄せてパーセーブした。「目標は予選通過だった。ここからは上位を目指して一打一打、頑張りたい」。第1Rで首位に立った三浦に続き、メジャーの舞台でルーキーが躍進した。

 通算13勝の上田桃子と同じ、辻村明志コーチに師事する。練習ラウンド中にコースの攻め方を教わることも多い。今週は目玉になりやすく難しいグリーン周りのバンカーを避け、パー5で2オンを狙える場面でも狙わない。「リスクを背負って攻めて後悔することが多い。100ヤード以内に残すことを徹底しています」。1月に1か月行ったハワイ合宿では桃子と同部屋でプロ魂を学び、走り込みと毎日100回の素振りを自らに課した。高3時に秒速40メートル以下だったヘッドスピードは43メートルを超えた。辻村コーチは「飛距離も伸びた」と成長を認める。

 通算3勝の畑岡奈紗、同1勝の勝みなみ、新垣比菜(ともに19)がそろう黄金世代の一員。前週に初優勝した新垣に「続けたらいいな」との思いを強くした。「自分も負けないように頑張りたい」。北海道出身の色白美人。試合で緊張したことがないという強心臓は、15年の田仁智(チョン・インジ)の20歳273日を上回る20歳21日の大会最年少優勝へ大きな武器になる。

 母・ひとみさん(38)がスナックを経営しながら女手一つで育ててくれた。本格参戦1年目の今季は全国に帯同し、サポートを続けてくれている。誕生日にはいつも「何もいらないよ」と返される。1月には悩んだ末に小顔ローラーを贈ったが「結果で残せれば一番ですよね」。13日の母の日へ、前祝いの初優勝を贈る。(高木 恵)

 ◆小祝 さくら(こいわい・さくら)1998年4月15日、北海道・北広島市生まれ。20歳。8歳から母・ひとみさんとレッスンに通う。10、12~14年に北海道ジュニア優勝。14年北海道女子アマ優勝。飛鳥未来高3年時の16年7月、ニッポンハムレディスで第2日まで首位に立ち8位と健闘。昨年7月のプロテストに一発合格。趣味はK―POPで「防弾少年団」のテテが大好き。158センチ、58キロ。

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