◆男子プロゴルフツアー 関西オープン第3日(19日、兵庫・小野東洋GC=7124ヤード、パー72)
世界ランク9位・松山英樹の後輩でアマチュアの久保田皓也(20、東北福祉大3年)が6バーディー、1ボギーのベストスコア67をマーク。通算10アンダーで7位から単独首位に浮上し、史上4人目のアマでのツアー優勝に王手をかけた。地元・兵庫の滝川二高時代にキャディーのアルバイトをして慣れ親しんだコースで得意のショートゲームがさえた。時松隆光(24)=筑紫ケ丘GC=が1打差の9アンダー2位で追う。
スーパープレーの連発だった。久保田は16番、グリーン手前のエッジから25メートルをパターで放り込むと、17番で1メートル、18番で7メートルを沈める3連続バーディー締め。10アンダー、単独首位で優勝に王手をかけ、「周りのプロの方がもう少し伸ばしていると思っていた。『まさか』と自分が一番驚いている」と率直に振り返った。
1番で1メートル半を決めて連続バーディー発進すると、勢いに乗った。「2日目までが100点、今日が150点」。毎日69で回る目標を上回りベストスコア67。高校で3年間、小野東洋GCで通算100回以上、キャディーを務めた経験を生かした。23パットは最少タイ。「マネジメントもばっちり。グリーンも読みやすかった」。両親、コース関係者らの応援を背に、ツアー出場3戦目にして得意の小技がさえた。
高3時には、関西の大学に進学が決まりかけていたが「もともと松山さんに憧れていて、東北福祉大から声をかけていただき」急きょ進路が決まった。「環境は一番いい。アプローチ、パットはずっとやっている」。松山は帰国すると、今でも大学に立ち寄ることがあり、そんな時は「球筋を見て学んでいる」と世界の技を吸収する。
アマで優勝すれば、2011年の三井住友VISA太平洋マスターズの松山以来、4人目の快挙だ。「まだ(松山に名前を)覚えられていないと思うので、今回で覚えてもらえたらうれしい」と謙虚に話した。アマの最終日最終組は昨年の日本オープンでの大学の1年後輩、金谷拓実以来(結果は2位)。「順位は意識しないで、一打一打、勉強する気持ちで回れたらいい」と平常心を強調した。(岩原 正幸)
◆久保田 皓也(くぼた・ひろや)1998年1月13日、神戸市生まれ。20歳。10歳から父・祐市さんの影響でゴルフを始める。2015年に関西アマチュア選手権優勝、全日本パブリックアマチュア選手権2度優勝。滝川二高から東北福祉大に進学。ツアー出場は3試合目で初の予選通過。得意クラブはパター。169センチ、65キロ。家族は両親、姉。
◆久保田がVなら ▼アマとしてのツアー優勝は4人目(1973年ツアー制施行後) 過去には倉本昌弘(80年中四国オープン)、石川遼(07年マンシングウェアKSBカップ)、松山英樹(11年三井住友VISA太平洋マスターズ)の3人。 ▼ツアー3戦目での優勝は史上5番目(99年日本ゴルフツアー機構発足後) 1戦目が石川(07年同)、趙炳旻(16年関西オープン)、ケプカ(16年ダンロップフェニックス)の3例。2戦目がシノット(17年レオパレス21ミャンマーオープン)の1例。 ▼初優勝の年少記録は6番目 20歳4か月7日で達成すれば6番目となる。石川の15歳8か月3日が最年少、松山の19歳8か月19日での初優勝は年少3番目。