◆男子プロゴルフツアーメジャー第2戦日本ツアー選手権 森ビル杯 第1日(31日、茨城・宍戸ヒルズCC=7384ヤード、パー71)
ツアー歴代3位の48勝を誇る永久シード保持者・中嶋常幸(63)=静ヒルズCC=が2バーディー、3ボギー、2ダブルボギーで5オーバーの116位と出遅れた。現行の日本タイトルで唯一獲得していないこの大会の出場は今大会限りと明言し、“レギュラーツアーのメジャー卒業”となる可能性も出てきた。通算1勝の重永亜斗夢(29)=ホームテック=、韓国の金亨成(38)=福住運輸倉庫=が5アンダー、66で首位に並んだ。
日本男子ゴルフ界のレジェンドの口から突然の「卒業」宣言が飛び出した。中嶋は首位と10打差の116位でホールアウト後、応援に駆けつけた家族を含め、大勢のギャラリーにサインや記念撮影に応じた。報道陣に囲まれると「自分には力及ばないのがわかったから、この試合は今大会で卒業したい」と切り出した。
00年大会発足後、03年を除いて毎年出場。「勝てば前人未到の(アマ、レギュラー、シニアの)日本タイトル8冠になる」と強い思いで臨んできた。だが、ツアー屈指の長さを誇る難コースで06年大会の3位が最高。この日の前半1アンダーも「10番へ行く前に足に痛みが出た」と後半41と失速。「スコアで大会に貢献できなくなった。違う貢献の仕方もある」と話した。
今後は6月のダンロップ・スリクソン福島オープン、11月のダンロップフェニックスに出場予定。「引退とは違う。東日本大震災の支援もあるし、来年も福島には必ず出る」と中嶋。レギュラーのメジャーでは最後の雄姿となる可能性も出てきた。(榎本 友一)