日本ゴルフツアー機構、ノーモア片山 再発防止へ厳罰化


JGTO理事会の会見で深々と頭を下げて謝罪する片山晋呉(右から石川選手会会長、青木会長、佐々木常務理事兼事務局長=カメラ・生澤 英里香)

 日本ゴルフツアー機構(JGTO)は27日、都内で定例理事会を開き、5月30日の日本ツアー選手権森ビル杯のプロアマ戦で招待客に不適切な対応をした国内通算31勝の片山晋呉(45)=イーグルポイントGC=に制裁金30万円と厳重注意処分を下した。6日に設置された調査委員会から25日に報告書が出された。JGTOは今後、再発防止策として規定の厳罰化に乗り出すことを明かした。

 髪を切り、黒のスーツに紺のネクタイ姿で登場した片山は会見の冒頭で、JGTOの青木功会長(75)、石川遼選手会長(26)らと2度にわたって合計20秒以上、頭を下げた。テレビカメラ11台、約100人の報道陣を前に騒動後初めて口を開き「このたびは一緒に回られた同伴競技者に不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありません。ゴルフを支えてくださった関係者の皆様、騒ぎになってしまい申し訳ありません」と陳謝した。

 5月30日のプロアマ1ホール目。同伴アマA氏がプレー中にもかかわらず、了解を得ずに自らのパッティング練習を行ったホスピタリティーを欠く行為により、不愉快な思いをしたA氏がプレーを断念する事態を招いた。すでに科されていた制裁金30万円に加え、この日の理事会で青木会長から厳重注意を受けた。

 ただ、JGTOの現行のトーナメント規定では違反が3回目以上からでないと、より重い懲戒処分(出場停止、除名)を科すことができず、今回が初回の片山には制裁処分(制裁金、厳重注意)しか科せなかった。JGTOの野村修也理事を委員長とする調査委員会は、青木会長や石川選手会長が率先して行う「プロアマのホスピタリティー向上」の流れに逆行すると結論づけたが、今回の騒動を教訓に再発防止に乗り出す。プロに対する研修・指導の徹底を図るとともに、懲戒・制裁規定の厳罰化に取り組むことを表明した。

 A氏はすでに謝罪を受け入れ復帰を望んでいるというが、ツアー出場を自粛している片山は試合復帰について「今日、処分をいただいたので、自分の中で整理ができてから」と時期は明言せず。「至らなかったところを改めていきたい。反省すべきことは反省し、今後のゴルフ人生の糧にしていきたい」と述べた。

 ◆調査委員会の報告書

 ▽9時頃 スタートの13番グリーンで片山は3本のティーを投げた。同伴アマがプレー中、投げたティーをカップに見立ててパット練習。同伴アマに承諾は求めず。

 ▽9時10分頃 ホールアウト後も片山はパット練習を継続。同伴アマ3人はカートで先に14番へ移動。片山はアプローチも含め計3分ほどの練習を行い、14番ティーにいたA氏から大声で「早く上がってきて下さいよ」と言われた。14番ティーでA氏は片山に苦言を呈し、片山は「すみません」と答えた。

 ▽9時20分頃 14番の第1打後、A氏は「帰る」とカートへ乗車。片山から謝罪の言葉はなかった。

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