インタビューで大粒の涙を流した有村
◆女子プロゴルフツアー サマンサタバサレディース最終日（１５日、茨城・イーグルポイントＧＣ）
２打差の８位から出た有村智恵（３０）＝日本ＨＰ＝が６バーディー、ボギーなしのベストスコア６６で回り、通算１３アンダーで涙の復活優勝を飾った。２０１２年９月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来、６季ぶりとなる通算１４勝目。１３年から米ツアーに参戦したが結果を残せず、どん底を味わった。１６年４月の地元・熊本地震で被災して日本ツアーに復帰し、今季はシードなしからはい上がった。
有村は東北高の２年先輩で私生活でも親交が深い米９勝の宮里藍さん（３３）への感謝を述べた。米ツアー参戦１年目の１３年秋、「完全に心が折れた。日本に帰りたい」と、どん底にいたが、唯一相談した藍さんからの「ありのままのあなたが好きだよ」の言葉に救われた。１６年に米ツアー撤退を決めた時も「どこにいてもあなたらしく居られるところが帰る場所だよ」と、背中を押された。
１５年から１年以上主戦場とした米下部シメトラツアーでは、選手同士で車を相乗りして移動したことも。ツアーが提供する家庭にホームステイし、英語も堪能になった。会場はローピングもなく、観客は関係者だけで、もちろん日本ツアーのような拍手もない。“ハングリー”な環境でもまれた経験を「今この瞬間があるから、つらいことがいい思い出になった」と振り返る。技術面でも元世界ランク１位のルーク・ドナルド（英国）を指導する米国人コーチのパット・ゴス氏に３年前から師事して、球筋を増やした。「米国に行ったから出会えた」という貴重な財産が１４勝目につながった。